「ステロイドが怖い」となった背景とは

アトピーの人が悩んでいることのひとつが、皮膚の色素沈着だ。河野大臣も「顔色が赤い」とか「顔色が悪くて内臓が悪い」言われた返事として「アトピーだ、文句あっか」などの返事を返していたが、これは改善されるのだろうか。

河野大臣の3月26日のTwitter。顔色に対する指摘に反論し、話題を集めた。
-AD-

「すでに成人しているアトピーの方は、長期の疾患で定着してしまった皮膚の色素沈着などもあります。多くは改善させることができますが、なかなか元通りの肌に100%戻るのは難しい場合もあります。でも現在、子どものころから最新の標準治療とスキンケアを行えば、見た目でアトピーだとはわからないほど、きれいな肌状態をキープすることもできるくらい、アトピー治療は進化しています。

そもそもステロイドが内服薬や点滴薬として使われ始めたのは1940年代 (※1)で、塗り薬として開発されたのが、1953年のこと。1970年代には、5段階の強さのステロイドの塗り薬がそろいました。ステロイドは 皮膚の炎症を抑えるのには非常に効果的ですから、症状に応じた強さの薬を正しく、適切に使えていたらその有効性のほうが広く認知されたはずなのですが、やはり最初はまだ皆が慣れていなかったのでしょう。

医師側もステロイド剤の使い方について十分に指導できなかったこともありますし、また、健常な皮膚の人が市販品のステロイド軟こうを美容に使い、皮膚トラブルを起こした件が社会的問題化した (※2)ことが、アトピー性皮膚炎の治療に大きな影響を与えました」(堀向氏)

※1:Annals of the rheumatic diseases 1949; 8:97-104.
※2:五十嵐 敦之【内科医がおさえておくべき皮膚科の基本】内科医にも必要な皮膚科治療の知識 ステロイド外用療法の実際