# 新型コロナウイルス

新型コロナ、日本の満員電車で「クラスター」が起きない「意外なワケ」

マスク着用とコロナの最新情報
村上 和巳 プロフィール

屋内での接触時は「無症状」でもマスク着用が基本

―その意味では、これまで一般的に感染症ではマスクの予防効果は懐疑的な報告が多かったと思いますが、今回はマスクの効果が強調され始めています。

もっともよく知られている呼吸器感染症であるインフルエンザの場合、他人への感染性が最も高い時期は発症直後です。このことを念頭に従来、私たち感染症専門医や世界保健機関(WHO)は症状がある、すなわち咳をしている人たちへマスク着用を推奨し、それがマスク着用の常識でした。

ところが新型コロナの感染性のピークは発症前、詳しい解析では発症の約3日前からと報告されています。しかも、二次感染が発生するのは、発症後よりも発症前の方が多いとも推定されています。

具体例を挙げると、1月にドイツで初めて確認された新型コロナの感染例です。この例はドイツを訪問した中国人が帰国後に新型コロナを発症。後にその中国人と同じ会議に出席していたドイツ人2人も感染が判明し、さらにこのうちの第1例目のドイツ人と接触があった別のドイツ人2人も後に感染が確認されました。

 

最初の中国人とドイツ人2人の接触期間、第1例目のドイツ人と接触したドイツ人2人の接触期間では、誰も発症していませんでした。つまり互いに症状がない時期に接触し、その後発症しています。

また、台湾で新型コロナの感染が確定した100人とその濃厚接触者2761人を調査した結果から、濃厚接触者のうち後に発症した22人はいずれも感染確定者の発症前、あるいは発症から5日目までに接触した人で、発症から1週間以上経った人と接触した人では感染は確認されていません。