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世界初の「コンパイラ」そして「COBOL」を開発した天才女性科学者の偉業

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

コンパイラ、COBOL、バグ

1906年の今日(12月9日)、 計算機科学者のグレース・ホッパー(Grace Murray Hopper, 1906-1992)がアメリカのニューヨーク州で誕生しました。

 

彼女は使用する機械に依存しないプログラミング言語の概念を初めて唱えた人物であり、その理念に基づいたプログラミング言語である「COBOL」の開発で知られています。

若き日のグレース・ホッパー photo by Getty Images

イェール大学で数学の博士号を取得したグレースはヴァッサー大学の数学教授を経て海軍予備隊に入隊します。

1944年に中尉となった彼女はハーバード大学に配属され、そこでハワード・エイケン率いるハーバード・マーク1という計算機を開発するチームで計算機科学者としてのキャリアをスタートさせました。

そして、そこで彼女はUNIVAC1などいくつかの電子計算機の開発に携わりました。

当時は8進法や記号によるプログラミングが主流である中、彼女は日頃「プログラムは英語で書けるようにすべきだ」と唱えていました。しかし、「コンピュータが英語を理解しない」という理由から周囲の人間にはちっとも理解されませんでした。

それでも彼女はめげずに、英語で書かれたデータプロセッサをコンピュータによって翻訳する世界初の「コンパイラ」を発表し、その理論に則って新しいコンピュータ言語を完成させました。

この言語は1959年に行われた「データシステム言語会議」によって「Common Business-Oriented Language」の頭文字をとって「COBOL」と名付けられました。

COBOLは大量のデータ処理を得意とするほか、扱いやすさと汎用性に優れ、今日でも使用されるプログラミング言語です。

彼女はこれらの計算機科学における功績から1967年から10年間、海軍情報システム計画局のプログラミング言語グループのディレクターを務めました。

そして、1986年に79歳で海軍を引退するまでに彼女は多くの勲章を受章し、死後の現在でも計算機科学者として名高い存在であり続けています。

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ちなみに、プログラムにおける誤りを表す「バグ」という言葉は、1947年にコンピュータのハーバード・マーク2に本物の「蛾(バグ)」が挟まってエラーが起きたというエピソードを彼女が好んで語ったことで、一般の人にも認知されるようになったといわれています。

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