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世界が大注目「オードリー・タン」が語る「年齢から自由になる」方法

オードリー・タン 自由への手紙(4)
オードリー・タン。
新型コロナウィルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことで名前を知った人も多いことだろう。
彼女(氏によれば「性別なし」なのだが、​ここでは便宜的にそう呼ばせていただく)は2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。
そんな彼女が語った、このデジタル時代に「自由になる」ということ、貴重なインタビューを『オードリー・タン 自由への手紙』よりお届け。第4回は「年齢から自由になる」。>今までの連載はこちら!

年齢から自由になる

教育の改革は、あらゆる改革の支えになるものだと思っています。

格差を解決するアプローチとしても、チャレンジする機会を拡大するものとしても、教育が大切なのは言うまでもありません。

 

生物学的年齢と心の年齢

私は14歳で中学を自主退学しましたが、転校が多い子どもで、3つの幼稚園と6つの小学校で学びました。

なかでも印象に残っているのは、ドイツのザールラント州ドゥットヴァイラー。フランス国境に近いドイツの小さな町ですごした1年が、私の考え方に大きな影響を与えています。

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当時の私は11歳くらいでしたが、1級下の学年に入ったため、同級生はみんな歳下でした。

それなのに男の子も女の子も、台湾の同年代の子どもたちよりも大人びていて、15~16歳くらいに見えました。

「なぜなんだろう?」とよく思ったものです。

生物学的には同年齢なのに、ドイツの子どもたちは自分たちでスケジュールを決め、自分たちでクラスを選び、自分の主張を的確に伝えることができます。大人との違いは、体の大きさだけです。

理由を調べてみると、それは「ピグマリオン効果」と呼ばれるものでした。大人が子どもに対して、大人のように振る舞うことを期待していると、子どもは期待に沿うべく育ちます。

反対に、大人が子どもを赤ちゃん扱いすると、相手もその期待を満たす行動をとるようになります。

そう知って、考え方を根底から変えられました。

「生物学上の年齢で人を区別してはいけない」

「その人の生き方や社会的期待に働きかけるべきだ」

ドイツのあの街で、私はこうしたことを学んだのです。

生物学上の年齢というのは、確かなようでいて、不確かなものです。