写真提供/バービー

「58歳男性」がバービーの言葉に本気でシビれた理由

ど派手なファッションとお下品な芸風と思ってたのに

女性芸人バービーさんの本が発売された。実は私は書籍刊行部署の担当編集者なのだが、実際に一からコンテンツを作り上げたのは、この本のもとになった連載の媒体であるFRaU web編集長で、私自身は社内調整と進行管理くらいしかしていない。だから私は、この本をお届けしたい読者のみなさんよりもちょっとだけ早く、この原稿に向き合った読者代表の立場にある。

今回その立場で原稿を読み、舌を巻いた。バービーすごい。思わずその本音をFacebookに投稿すると、「知らなかったんですか」「私もそう思います」という多くの女性からの声が殺到した。しかし男性の立場ではどうやらまだご存じない方も多いようだ。そこで改めて現代ビジネスにて本書『本音の置き場所』の一部もご紹介しつつ、ひとりの「58歳男性」としてバービーの言葉に大きく心動かされた理由をお伝えしよう。

 

圧が強いファッションとお下品な芸風、の印象

バービーといえば、男には圧が強すぎるド派手なファッションや、ちょっとお下品な芸風などが特徴だと思われるだろう。正直言って、私もその程度の認識だった。だが、彼女の原稿を熟読し、校了する過程で、おどろいたことがいくつもあった。この人の文章には、よく整理された思考の土台がある。バービーの言動にこれだけ思考の回路があるとは、たぶん誰も思っていないだろう。

『本音の置き場所』より

たとえば女性の下着問題。オンナのブラジャーとパンティは、男にはそれ自体がエロの記号になる。さらにここからは日用品、こっちに転んだらエロというギリギリのラインがある。そして勝手に女の体をエロの圏外に追いやることもある。

しかし、そんなラインは女性にとってはただの抑圧だ。誰だってエロく見られたいから「かわいい下着」を身につけるわけではないだろう。ましてや「かわいい下着」が合わないサイズの女性は「女じゃない、別の生き物」認定する抑圧たるや、どれほど重いものだろう。

「既製品のブラジャーが入らなかった人たちは、企業が用意したサイズが入らない=普通ではない、と自分を罰しているように見える。『私が痩せて胸を小さくできればいい話なんですが、申し訳ない』というように。でも、おっぱいは何も悪くない。おっぱいが大きすぎたり、小さすぎたりして、合うブラジャーがなくても、あなたが罪悪感を感じたり、声を殺す必要はない。堂々と自分の身体に合う下着が欲しいと言っていい」(第三章 ノーブラで街を歩きたいと思った理由)