Photo by iStock

台湾の若きIT大臣がコロナの封じ込めに「大成功したワケ」

オードリー・タン 自由への手紙(3)
オードリー・タン。
新型コロナウィルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことで名前を知った人も多いことだろう。
彼女(氏によれば「性別なし」なのだが、​ここでは便宜的にそう呼ばせていただく)は2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。
そんな彼女が語った、このデジタル時代に「自由になる」ということ、貴重なインタビューを『オードリー・タン 自由への手紙』よりお届け。第3回は「不安から自由になる」。>今までの連載はこちら!

不安から自由になる

「経済的な不平等をなくすためにはどうしたらいいでしょう?」

「一人ひとりが収入を増やす機会を得て、経済的不平等をなくすために最適な方法とはなんでしょうか?」

こうした質問へのひとつの答えとして、台湾で私たちがやっていることを紹介したいと思います。

※画像はイメージです。Photo by iStock
 

マスクを「すべての人」に

多くの国では、新型コロナウイルスの検査費用は病院に行くよりも安価になってきていますが、台湾では正反対です。病院やクリニックに行くほうが、検査を受けるよりも安い費用ですみます。

それが台湾の医療状況のとても興味深い点なのですが、台湾は1995年に「全民健康保険」を導入しました。いわゆるユニバーサルヘルスケア制度(国民皆保険制度)で、政府が保険料を徴収して医療費を負担する単一支払者制度となっています。

特にユニークな点は、台湾国民だけでなく半年以上台湾に住んでいる人は誰でも国民健康保険を利用できることです。

新型コロナウイルス感染を疑う症状が出ても、台湾で暮らす人たちは、金銭的負担も社会的プレッシャーも感じる必要はありません。

国民健康保険証を使ってマスクを入手し、近くのクリニックへ行けばいい。ただそれだけです。

そうすると、すべての人々を責任ある市民として公衆保健に参加するよう、促すことができます。

台湾では、単一支払者制度がここ数年ほどで当然のものになりました。これは純粋な社会主義制度と言えるでしょう。