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顧客から19億円をダマし取った「89歳生保レディ」の華麗なる履歴書

第一生命トップのセールスレディが…

第一生命の営業トップで年収1億円超、銀行頭取がひれ伏し、地元の名士がこぞって加入……89歳にしてこれだけの金額を集め、いったいなにがしたかったのか。

刑事告発された老女の人生を丹念に振り返ると、そこには、地元財界を踏み台に、一代で成り上がった人間の複雑な人生があった。

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拍手万雷のなかで

2016年2月25日、山口県周南市内にある大型催事場に、300人を超える招待客が詰めかけていた。

〈第一生命特別調査役庄司政子さん勤続50周年記念祝賀会〉(名前は仮名)

そう題された催しの発起人には、山口銀行の頭取や山口放送の会長、元市長、地域有数の神社の名誉宮司など、地元の名士たちが名を連ねる。

紫の派手なスーツを身にまとった老女は、発起人たちが代わる代わる壇上に立ち、自分を褒めそやす様子を満足気に眺めたすえ、鳴りやまぬ拍手のなかで挨拶に立った。

 

「素晴らしい人に、素晴らしい人を紹介してもらえたからこそ、今の私があります」

地元の顧客たちに対して滔々と感謝の言葉を述べる。だが、この時すでに、彼女は顧客たちを欺いていた—。

第一生命の西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)に所属する89歳の営業レディが、少なくとも21人の顧客から、10年にわたり約19億円をダマし取って懲戒解雇となり、同社から詐欺容疑で刑事告発を受けたニュースが、世間の耳目を集めている。

ここまで注目されるのは被害額の大きさや、庄司の年齢もさることながら、彼女が全国で4万人を超える第一生命営業レディのなかで、トップクラスの「スゴ腕」として知られる存在だったということが大きい。