ロンドンに住むイラストレーター クラーク志織さんの新連載「イギリスのSDGs事情ってどうのなさ?」。イギリスの人たちがSDGsの理念を日々の暮らしにどう取り入れているのかを、パンチの効いた軽妙なタッチのイラストつきでレポート! 笑いと学びのつまったコミックエッセイです。今回は、「無知で人種差別主義者だ」と炎上中のイギリスの料理番組の一件から、「文化の盗用」について考えました。

見たことのない「日本の料理」がイギリスのテレビ番組に

今、大好きなイギリスの国民的人気料理番組「The Great British Bake Off」が、日本のカルチャーを巡って炎上しています。

本番組は、毎週アマチュア料理人たちがコンテスト形式でベイキングの腕を競うというというもので、先週は「日本」がテーマでした。

ワクワクしながら見ていたら、番組が料理人たちに出したお題が、「蒸しパン」「抹茶ミルフィーユ」「Kawaiiケーキ」の3品。しかもパンダモチーフの肉まんや本格スパイスのカレーまんを作る人がいたり、なぜかパイナップルモチーフが日本では幸福のシンボルということになっていたりと「あれ?これって日本?というか他のアジアのカルチャーとごっちゃになってない?」なシーンがてんこ盛り......。

イギリス国内では「無知で人種差別主義者だ」と批判する声が殺到。私はというと、なんとも言えない複雑な気持ちになりました。

なぜなら、私の知る日本とはかけ離れた「Japanese Kawaiiスタイル」の料理があまりに面白くてついつい笑ってしまったと同時に、「なぜ大きな影響力を持つ国民的人気番組で他国に対する誤った知識をそのまま放送したのだろう? 日本料理に詳しい人にきちんと話を聞けば防げた事じゃないのか? それすらしないほど適当にアジアの文化を扱っていいと思ったのかな?」と残念な気持ちに。