大人が知らない間に「若者のライトノベル離れ」が起きていた…!

正確には「ラノベの中学生離れ」、なぜ?
飯田 一史 プロフィール

では、一体なぜ中学生が取れないのか。

2010年前後の人気ラブコメと比べると、近年のラブコメものの人気作では主人公がこじらせていたり、ヒロイン側も頭脳戦・心理戦を展開したりといったことがままある。

たとえば『友崎くん』はゲーマーでぼっちの主人公が、クラスメイトから教えを受けて人生をゲームに見立て、自己啓発本(ないしナンパ指南書)的なコミュニケーションのノウハウを実践して学校で居場所や存在感を得ていく話だ。

昔のラブコメラノベは軽く読めるものが多かったが、2010年代後半以降は甘いだけでなく、ビターなテイストのものも増えている。

 

2010年前後のラブコメでは、極論すると、学校で変な部活を作ってバカをやったあとで女子の暗い過去を聞いてピンチから救うことを何人か繰り返せばハーレム状態ができあがっていた。

かつては小説を読み慣れていなくても、面倒な自意識を抱えていなくても楽しめる作品が流行っていたことに比べると、近作では登場人物たちのバカでも鈍感でもなく頭が良くなっている。

人間関係も複雑になり、対象年齢が上がっている傾向にあるように感じる(もっとも、当時も90年代ラノベと比べると、内容が難しく、分厚くなっていると言われてはいたが……)。

アニメ化による流入を除くと10代を新規に獲得している数少ないジャンルと言われるラブコメでさえ、最低年齢は高校生、実質それ以上になっていると思われる。

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