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菅首相のもとで「外務省vs警察官僚」の「インテリジェンス戦争」が起きていた…!

「外交オンチじゃない」と言うけれど

菅義偉首相は「外交オンチ」という評価をくだされることを必死で避けようとしているように見える。新首相は「外交手腕が未知数」という評価をされることがしばしばあるが、自民党総裁選の過程でも、菅首相はそうした評価に不快感を示す様子が見られた。

しかし、実際に政権が船出してみると、国の情報収集・分析活動を司るインテリジェンス部門において、早くも問題が発生し始めているという。インテリジェンスの司令塔となる「国家安全保障局」(NSS)が、「警察官僚vs外務省」の対立という火種を抱え込むことになりそうだというのだ。

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菅政権の官邸インテリジェンスは、菅首相が官房長官時代から絶大な信頼を置いてきた杉田和博内閣官房副長官、北村滋NSS局長、瀧澤裕昭内閣情報官の、「警察官僚3人衆」(官邸スタッフ)に全て委ねられることになった。

しかし、この「丸投げ」によって、新たな軋轢が生まれているというのである。

背景を知るため、安倍政権末期のNSSの様子を概観しておこう。昨秋、谷内正太郎初代局長にかわって北村氏がNSSのトップに就くと、北村氏は、首相補佐官だった今井尚哉首相秘書官と手を組む。

折しも、米中のパワーゲームがエスカレートするなか、仮想敵国の企業に対する制裁などを通じた経済的衝突が目立つようになり、「経済安全保障」が注目を集めていた時期。安倍外交が行き詰まりを見せていることに業を煮やしていた北村氏にとっては、経産省出身の今井氏の助力は「渡りに船」だったに違いない。

こうして北村氏は、2014年のNSS発足以来、同局の主導権を握ってきた外務官僚を後景に退ける動きを見せる。