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88歳老経営者、全財産を損失…認知症を利用した「詐欺事件」の恐怖

得るものがないのにすべて失った…なぜ?

老経営者を狙う事件

契約書、委任状、承諾書、印鑑登録証明書などすべての書類は整っているし、本人の同意もある。だが、どこかおかしい。なぜ全てを失う取り引きに同意したのか。

疑われるのは認知症を患っていること。そんな孤独化、高齢化が進む社会の行く末を暗示させるような事件が増えている。

一例を挙げよう。

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舞台は、東京・江東区に自社ビルを持つ警察の警備関係備品に強みを発揮するポータ工業。主人公は今年88歳になるG氏である。売上高は約5億円と“小ぶり”ながら、その特殊性ゆえ信用度は抜群だ。

ホームページによれば、約50年前に創業し、着実に業績を伸ばし、近年では、北海道洞爺湖サミットの警備機材をレンタル、生物多様性条約第10回契約国会議(COP10)の会場警備機材をレンタルするなど国の枢要事業に関与、防刃防護衣、防護楯、刺股、車両阻止トライアングルなど特殊機材を豊富に取り揃えている。

また、防犯の知識・技術普及のためのセミナーや講演を開催するために日本防犯安全振興財団を設立。学校や企業でセミナーを開催し、講師は警察防犯係の現役警察官が務めている。財団は、14年8月、その公益性を認められて、一般財団法人から公益財団法人となった。

つまりG氏は、功成り名を遂げた成功者である。個人所有の自社ビルを持ち、堅い販売ルート持つ会社や公益財団のオーナーで、住んでいるのは時価3億円と言われる港区新橋新の超高層マンションだ。

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