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ついに制限の動き――個人情報利用ネット広告を巡るIT巨人間の戦い

cookieがプライバシー侵害の鍵

「サードパーティー・クッキー(third party cookie)」は、ユーザーが知らないうちに送り込まれるcookieだ。これを用いて、広告の効果を高めることができる。

しかし、プライバシー保護の観点から、これを制限しようとする動きが広がってきた。これはグーグル対アップルなど、IT巨人間の戦いだ。

知らないうちに「cookie」が送り込まれる

インターネットで、「cookie(クッキー)」と呼ばれるものが使われている。これは、あるウェブサイトを閲覧したときに、そのサイトから送られてくる通信だ(3月1日掲載の「広告業界に激震走る――グーグルの方向転換が、なぜ重大なのか?」参照)。

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利用者の多くはcookieが送り込まれたことを意識しないが、これは、さまざまな働きをしている。

閲覧したサイトが会員制であれば、cookieには、私が会員であることが書かれてある。cookieは、私のPC(あるいはスマートフォン)のブラウザに記録され、一定期間、保存される。

つぎにアクセスすると、その情報が相手のサーバーに送られる。それによって、サイトは会員のブラウザからのアクセスだと認識できるから、いちいちパスワードを入力しなくても見られる。

cookieの機能は、以上にとどまらない。

グーグルなどの検索エンジンでは、cookieを利用して、ユーザーがどのページに何回アクセスしたかを把握している。

この情報を用いれば、そのユーザーがどういう人かを推定できる。性別、年齢、所得、家族状況、趣味などの「プロファイル」を推定できるのだ。これを「プロファイリング」という。

これを用いると、検索エンジンは、ユーザーに合わせた検索結果を返せるようになる。その人が興味がありそうな情報を返してくるのだ。例えば、レストランを検索すれば、その地域のレストラン情報を表示する。

以上で述べたものは、「ファーストパーティー・クッキー(first party cookie)」と呼ばれる。

 

これは、ネットスケープ社のエンジニアであったルー・モントゥリが、1994年に発明したものだ。「cookie」という名は、中にメッセージが入った「フォーチュン・クッキ―(fortune cookie)」に由来する。