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韓国・サムスンのトップが死去…それでも変わらない「韓国財閥」のヤバい実態

財閥トップの支配

10月25日、三星電子会長であり三星(サムスン)財閥のトップである李健煕(イ・ゴンヒ)氏が亡くなった。李健煕氏は2014年に倒れ意識不明の状況が続いており、実質的には長男である李在鎔(イ・ジェヨン)三星電子副会長が財閥のトップを務めていたが、李健煕氏の死去とともに名実ともに李在鎔氏が財閥のトップとなった。

李健煕氏〔PHOTO〕Gettyimages
 

新聞報道によれば、李健煕氏の死去に伴う保有株式や土地などにかかる相続税は1兆円を超えるとのことであり、その資産の巨額さには驚くばかりであるが、保有株式については巨大な三星財閥を直接支配するに十分であるとはいえない。

それにもかかわらず、なぜ財閥のトップが財閥全体に影響を与えることができるのであろうか。この理由は、三星財閥のみならず韓国の財閥に共通する株式の所有構造にある。そこで今回は、財閥トップは少数の株式を所有するにもかかわらず、なぜ全体に大きな影響力を与えることができるのか解説していきたい。

韓国の財閥の特徴は、財閥トップ(韓国では「総帥」と呼ばれる)やその一族が少数の株式しか所有していないなか、財閥の一部の系列会社が財閥全体の株式を多くを所有し、その系列会社の株式所有が最終的にはトップに帰する構造となっている点である。

2020年8月に公表された公正取引委員会の資料によれば、トップがいる55財閥について、財閥全体の株式のうちトップが所有している株式の割合は7.1%に過ぎず、財閥トップの親戚の保有を含めても8.7%である。しかしながら系列会社などの保有が48.9%に達しており、これを事実上の持ち合いや持株会社などを使って財閥トップが掌握する構造で、財閥全体に影響を与えることができている。