広島の森下暢仁投手[Photo by gettyimages]

広島ドラ1の栗林、大卒「指名見送り」の選手が社会人で1位指名された理由

「一本釣り」作戦は成功するのか?

ドラフトで見えた広島の戦略

柳の下に二匹目のドジョウはいるのでしょうか。

10月26日に行われたドラフト会議、広島は「社会人ナンバーワン右腕」との評価を得ていた栗林良吏投手(トヨタ自動車)の“一本釣り”に成功しました。

ドラフト前、広島は“大学ナンバーワン左腕” 早川隆久投手(早大)を指名するのではないかと見られていました。2016年から18年までのリーグ3連覇に貢献したクリス・ジョンソン投手に衰えが見られ、4年目の床田寛樹投手もパッとしません。サウスポー日照りの広島にとって、早川投手は喉から手が出るほど欲しい逸材でした。

早稲田大学の早川隆久投手。楽天が交渉権を獲得した[Photo by gettyimages]
 

しかし、人気の高い早川投手には複数の球団からの指名が予想されていました。一方、どこかの球団が栗林投手を1位で指名するという情報は入っていませんでした。そこで競合を避け、急遽、栗林投手を指名する運びになったというのです。

大学(名城大)時代から栗林投手をマークしていたのが東海地区担当の松本有史スカウトです。松本スカウトによると、大学時代の栗林投手はボールこそ速かったものの、コントロールに難があり、2018年のドラフトでは島内颯太郎投手(九州共立大)との比較の結果、安定感で島内投手が栗林投手を上回るという結論に至ったそうです。

栗林投手は「3位以下なら社会人」とスカウトに告げており、トヨタ自動車に入社することになりました。「その社会人での2年間が大きかった」と松本スカウトはいいます。タテのカーブを覚えたことで、他の変化球も生きるようになったというのです。

菊池を発掘した名スカウトの慧眼

球団が栗林投手の一本釣りを決めた背景には松本スカウトに対する信頼が窺えます。というのも、日本を代表する二塁手である菊池涼介選手、彼を発掘し、2位で指名したのが松本スカウトなのです。