2020.12.02
# 数式

中学入試の問題「5、9、13、□、21」□に入る数はなに?

この問題の「正解」を考えてみる
金 重明 プロフィール

いまはもっとも簡単な4次関数の場合で考えたが、関数は無限にあり、4次関数だけに限る必要はない。

関数の中には「指示関数」と呼ばれる連中がいる。有名なディリクレの関数などはその一例だ。ディリクレの関数というのは、

f(x) = 1(xが有理数の場合), 0(xが有理数でない実数の場合)

のように定義される関数で、あらゆる点で不連続な関数として知られている。

また、クロネッカーのデルタ関数という奇妙な関数も有名だ。

δij = 1(i=jのとき), 0(i≠jのとき)

つまり、δの添え字iとjについて、それが等しければ1、等しくなければ0とする関数だ。

つまり、関数というものは、どう定義しても自由なのだ。だからこの問題の場合、自分で「ある規則性」を考えれば、どんな数を入れてもいい。

たとえば

1番目は5
2番目は9
3番目は13
4番目は100
5番目は21

という規則を作って、100という答えを書いても正解なのである。

数学における自由な精神

しかし残念なことに、試験で「5 9 13 □ 21」にあてはまる答えに17以外の数字を入れると×になってしまうのだろう。数列は○○数列と名づけられたものに限る、という暗黙の規則があるからだ。

屁理屈と言うなかれ。多くの科学上の発見が、常識という暗黙の規則を疑い、それに反抗することによってなしとげられたことを思えば、このような暗黙の規則に反抗する自由な精神がいかに大切なものかわかるはずだ。

とりわけ数学は、ほかの諸科学とは異なり、現実の世界に働きかけてその真偽を判定する、ということができない。数学は頭の中にだけ存在する世界だからだ。定められた取り決めや定義は厳密に守らなければならないが、それ以外は何をやっても自由、というのが数学なのだ。

だからこそ、常識的には屁理屈としか思えない奇妙な関数やら定理やらを何とかなだめすかそうと、必死になってきたのではないか。

このような問題では、○○数列に従った「正解」を提示するよりも、それ以外にもたくさんの「正解」がありますよ、と教えるほうが教育的にはずっとすぐれているのではないだろうか。

(この記事は『やじうま入試数学』の内容を再編集したものです)

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