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トランプ再選を願う中国「習近平超一強体制」の強気な中長期計画

「5中全会」コミュニケを解説する

どちらかを選べと言われたら…

いよいよアメリカ時間の本日、大統領選挙が行われる。4年前と同様、大接戦となっており、日本を含む世界中が行方を見守っている。

それは日本の隣国である中国も同様である。アメリカ大統領選の結果は、今後の東アジア情勢にも、大きな影響を及ぼしてくる。

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中国はドナルド・トランプ大統領の再選と、ジョー・バイデン前副大統領の勝利と、どちらを望んでいるのか? この件は私も関心があって、何人もの中国人に聞き回っているのだが、彼らは非常に冷めた目で見ている。総じて言えば、「どちらかを選べと言われたら、トランプが勝った方がありがたいかな」という感じだ。

そのココロは、どちらが勝っても、中国にとっては一長一短あるということだ。それは簡単にまとめると、以下のようなものだ。

【トランプ勝利のメリット】
・カネにしか興味ないので、カネさえ与えれば黙ってくれる。
・アメリカの分断と凋落が、ますます進んでくれる。
・ホワイトハウスの素人政権による混乱も続いてくれる。
・EUや国連機関など、世界中を敵に回してくれる。

【トランプ勝利のデメリット】
・第2ラウンドの米中貿易交渉で、中国の国有企業改革(解体?)を迫ってくる。
・「トランプの次」を狙う、最も恐ろしいマイク・ペンス副大統領とマイク・ポンペオ国務長官の発言権が増していく。
・何をしだすか知れないので、蔡英文台湾総統との会談、台湾へのアメリカ軍上陸、南シナ海の中国人工島攻撃などをやりかねない。
【バイデン勝利のメリット】
・政権移行期間の「空白の2ヵ月半」(11月3日の選挙から1月20日の就任まで)が生まれるので、その間にワクチン外交を進めるなど、中国ペースの外交ができる。以後も、しばらくはバイデン色を出せそうにない。
・77歳のご老体なので、ホワイトハウスの決定が遅れたりピンボケになったりする可能性がある。
・国務長官にスーザン・ライスら親中派を指名してくれる可能性がある。

【バイデン勝利のデメリット】
・素人外交の時代が終わり、民主党の伝統的な手強い外交が始まる。
・「同盟」を重視するので、EUやアジアの同盟を総動員し、中国包囲網を敷かれるリスクがある。
・「人権」を重視するので、チベット、ウイグル、モンゴル、香港といった中国の人権問題を強烈に批判してくる。
・TPP(環太平洋バートナーシップ協定)に復帰し、経済的な中国包囲網を敷いてくる。
 

こうした諸々を勘案すると、「やはりトランプが再任された方が、少しはマシかな」というのが、中国のホンネのようだ。だが、台湾の蔡英文政権や北朝鮮の金正恩政権のように、熱烈にトランプ再選を願っているわけではない。

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