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有名起業家が断言、「株式会社」という組織はもう「限界」を迎えていた…!

「欲望の共同体」の断末魔

コロナ禍は、倒産増や雇用整理など経済に深刻な影響をもたらしている。とりわけ、右肩上がりの成長を前提とした組織である「株式会社」制度に決定的な影響をもたらすのではないだろうか。このほど『株式会社の世界史:「病理」と「戦争」の500年』を上梓した平川克美氏が、今後の株式会社のゆくえを読み解く。

 

株式会社という法人の異様な性格

株式会社という病』という本を書いたのは、2007年。爾来、十数年間、私は折に触れて株式会社という不思議な共同体について考えてきた。 

多くの人は、現代社会において株式会社は疑いようのない存在であり、そこに不思議なことなどないと思っているかもしれない。しかし、株式会社は高々数百年前に人間が作り出した幻想の共同体であり、人類の歴史から見れば株式会社が存在しない時間の方がはるかに長いのである。株式会社は当たり前の存在でもないし、永続性を保証された存在でもない。

とはいえ株式会社は、私が27歳で起業して以来現在に至るまで続けてきている労働の現場であり、当事者として関わってきた組織でもある。株式会社についてはよく知っていると思っていたし、当たり前の存在であるとも思っていた。

しかし、教育や医療、社会インフラに至るまで、民営化して競争原理を働かせるべきだという風潮の中においては、今一度、株式会社を原理的、根底的に考え直してみる必要があると考えるようになった。株式会社は、社会発展のエンジンであると同時に、社会的共通資本を破壊する尖兵でもあるからだ。私が新しく『株式会社の世界史』という本を書く理由もそこにあった。

誰もが、わかりきっていると思っていることを、一から検証する必要がある場合もあるのだ。時代の転換期には、それは特に重要な仕事になる。長期的な人口減少フェーズに入った時代の転換期には、わかりきっていると考えていた思考の土台自体が大きく変容してしまう可能性がある。