核兵器搭載可能な「火星12」(2017年4月15日撮影)

北朝鮮が「建国の父・金日成」の遺訓に背いてまで核開発を続ける理由

次期米大統領の北朝鮮政策はどうなるか

「核禁条約」批准拒否の日本

10月24日、核兵器の保有や使用などを全面的に禁じる「核兵器禁止条約」の発効に必要な国・地域の批准国数が50に達した。核兵器は非人道的兵器であり違法だとするこの画期的な条約は、来年1月22日に発効する。

ところが、核保有国だけでなく米国の「核の傘」を頼る日本や韓国、「北大西洋条約機構(NATO)」の国々も条約を批准していない。しかも菅義偉首相は10月26日の所信表明演説で、この条約や日本の核廃絶への取り組みについてまったく触れなかった。

広島の「原爆ドーム」(2009年5月9日撮影)

日本は米国が落とした2発の原爆で、1945年12月までに広島で約9万人、長崎で約5万人が死亡するという甚大な被害を受け、被爆者たちは75年経った今もなお苦しみ続けている。唯一の戦争被爆国である日本が、核兵器禁止条約への参加を頑なに拒み続けているのは決して許されないことだ。

現在、世界で核兵器を保有しているのは米国・ロシア・フランス・英国・中国の「核拡散防止条約(NPT)」で核保有を容認されている国々と、インド・パキスタン・イスラエル、そして北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)である。北朝鮮が保有する核弾頭は、米国防省陸軍部が8月に作成した報告書によれば20~60発とされている。

私は1981年から広島と長崎に通い、多くの被爆者を取材してきた。そこで確信したのは「核兵器は人類と共存できない」ということである。北朝鮮を含むあらゆる国の核兵器は、廃絶されるべきである。

北朝鮮は核・ミサイル開発を続けてきたことで、「国連安全保障理事会」などの強力な制裁を受けている。そのため、経済活動は制約され市民生活は大きなダメージを受けた。にもかかわらず、膨大な費用をつぎ込んでその開発をより一層進めているのだ。

「党創建75年」の新型弾道ミサイル(『労働新聞』2020年10月10日)

10月10日の「朝鮮労働党創建75周年」の軍事パレードには、複数の核弾頭を搭載して米国東海岸まで到達する超大型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を登場させている。

 

だが北朝鮮は、好き好んで新兵器を造り続けているのではない。核・ミサイル開発を続けている理由は、日本による朝鮮植民地支配が終焉した1945年8月15日以降の米国との対立の歴史の中にある。