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# 菅義偉

「二酸化炭素ゼロ」を打ち出した菅首相に立ちはだかる「大きな課題」

火力発電所を閉めても、解決しない

「脱炭素社会」を明言した

菅義偉総理は先週月曜日(10月26日)、第203臨時国会冒頭の衆参両院本会議で、就任後初の所信表明演説に臨み、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指す」と宣言した。

高く評価できる重要な決断だが、実現は容易ではない。

なぜ、あえて、この時期に、困難な決断をしたのか。その背景と超えなければならないハードルを考えてみよう。

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まず、菅総理の所信表明演説を振り返っておこう。

総理は冒頭で、組閣以来、喫緊の課題としてきた、新型コロナウイルス対策とデジタル社会の実現に触れた後、初めて明らかにする政策の1番手に地球温暖化対策を取り上げた。

「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言する」と述べたうえで、「温暖化への対応は経済成長の制約ではなく、大きな成長につながる」と経済界や国民を鼓舞した。

「鍵となるのは、革新的なイノベーション」で、「実用化を見据えて、研究開発を加速度的に促進」して、「規制改革などの政策を総動員し、グリーン投資の更なる普及を進め」、「脱炭素社会の実現に向けて、国と地方で検討を行う新たな場を創設するなど、総力を挙げて取り組みます」と力を込めたのである。

避けて通れない原子力などの電源構成の見直しについても、このパートの最後の部分で、「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します」と言い切った。