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評価の揺れる「丸山ワクチン」の開発者・丸山千里が生まれる

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

副作用のないワクチンをめざして

1901年の今日、丸山ワクチンの開発者・丸山千里(まるやま・ちさと、1901-1992)が誕生しました。

 

長野県の金沢村(現・茅野市)に生まれた丸山は中学校卒業後に日本医科大学に入学し、東京帝国大学(現・東京大)で医学博士号を取得しました。1944年から、彼はツベルクリンに代わる新たな結核ワクチンの研究を行いました。

ツベルクリンはドイツのロベルト・コッホ(Robert Koch、1843-1910)によって開発された結核ワクチンですが、治療効果に対して副作用が強いという欠点がありました。

丸山は副作用のまったく出ないワクチンの開発に取り組みました。こうして誕生した丸山ワクチンは結核やハンセン病の治療薬として用いられました。

【写真】ワクチンアンプル治験用として製剤化された丸山ワクチン Photo by Kodansha Photo Archive

そうした、研究と治療の中で、結核やハンセン病の患者にガンが少ないことから、このワクチンがガンにも有効なのではないかと、丸山博士は考えました。ガン患者への有効性が報告されて以来、患者が殺到、正式な医薬品の認可がないまま有償治験薬(患者が実費負担する)という形で、1966年以来多くの患者が利用しています。

愛知県がんセンターと東北大学がそれぞれ行った臨床試験では、抗がん剤としての有効性が認められなかったとされましたが、臨床的効果があるという主張も根強くあり、その評価はいまだに揺れ動いているようです。