【スナック千代子へいらっしゃい #9 私をこんなに振り回した男はアイツだけ

子育ての切なさを2児のママで「スナック千代子」のママ、ピスタ千代子がつぶやく4コマ漫画連載「スナック千代子へいらっしゃい」(毎月第1・3日曜日に配信)。今回は、「アイツ」にこれでもかと振り回されたときのエピソードです(漫画は次ページに掲載)。

我が子を「小さい恋人」と言う人がいるけれど

我が子のことを「小さい恋人」などと表現するアレ、どうなの? と思っていた時代が私にもありました。私は何も知らなかった。今になって思う、アレって究極の気休めだったのね。

乳幼児期の我が子はまるで、わがままで束縛の激しい恋人。常に自分が一番でなければならず、片時もそばを離れてはならない。

眠っているからといってこちらが眠ることは許されず、心を尽くした手料理を必ずしも食べてくれるとは限らない。味が気に入らないと言ってはたき落とし、気に入らないことがあれば泣き出し、その理由も言わない。こちらはあれこれ思案しながら泣いている(もしくは不機嫌の)原因を究明し、必死に機嫌をとってなだめすかして……って、もはや恋人の域を出てますね。

それもこれも生き方を知らないまっさらな赤子が自分の命を守りながら成長していくための必死の処世術なものだから、こちらはそれに応えるしかないのだけれど、もう、もうね。睡眠時間まで削って私もフラフラ。こんな扱い初めてよ! 他人だったら絶対に許さない。

そんな思いが爆発した夜、これほどまでに私を振り回した男はアイツだけだとたわむれに日記に書いてみたら笑えてきた。小さい恋人に振り回されているんだと思えば、それもコミカルで面白いじゃないかと。

夫婦で「束縛」を自慢し合う日々

思い返してみればその出来事が、大変な毎日の中でもできるだけ面白がって生きていこうと考えるようになった決め手だったかもしれません。

あんなに全力で私を頼り、愛してくれる相手なんて我が子しかいないでしょうし、その時期も驚くほど短いですからね……。現に5歳になった息子は最近自分の時間も楽しみたいらしく、なんとなく私と距離を取るようになってきました。

この話は夫婦晩酌タイムでもよく話題に上るお気に入りのネタになっていて、夫婦でどちらがより束縛を受けたかを自慢し合うその様はまるでスナックで繰り広げられる昔の恋人自慢。スナック千代子、今日も元気に営業中です。