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あの「戦争広告代理人」はトランプvs.バイデンの勝負をどう読むか

米大統領選直前緊急インタビュー

政治とは、タイミングがすべてなのです。その点で、トランプ大統領の『トライブ』戦略は今回悲惨な状況を招いたと言えるでしょう

それが、40年以上にわたり、ワシントンDCでアメリカ政治をつぶさに見てきたPR(パブリック・リレーションズ)エキスパート、「戦争広告代理人」ジム・ハーフ氏の、アメリカ大統領選挙投票日直前の最新分析である。

拙著「戦争広告代理店」(講談社文庫)と、この本のもとになったドキュメンタリー番組「NHKスペシャル 民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」の主人公であるハーフ氏は、1990年代最悪の紛争のひとつ、ボスニア紛争の行く末を、「PR情報戦」の力で変えた凄腕だ。

国際世論、特にアメリカ世論の帰趨にどうすれば影響を与えられるか、という課題に心血を注いできたプロにとって、両候補があらゆる手段で国民を味方につけようとする大統領選挙は、4年に一度のまたとないショーケースだ。ハーフ氏はその奥底にある潮流を見出してきた。

 

凄腕PRエキスパートの慧眼

近年の大統領選挙でも、ハーフ氏の慧眼に驚かされた事例が二つある。

ひとつは、2016年10月に来日した時、トランプ大統領誕生の可能性を強く主張していたことだ。選挙を1ヵ月後に控えた当時、ほとんどの世論調査がヒラリー・クリントン候補のリードを伝え、アメリカ内外のメディアの多くも史上初の女性大統領の出現を予想していた。

その中で、ハーフ氏は「トランプ氏に十分可能性がある」と言い続けていた。正直、聞いている私も「そんなことはないのではないか」と思っていたが、事実は彼の言う通りになった。