「寒くなる冬」の防寒アウター商戦、“真の勝者”はどのブランドだ?

ワークマン、ビバホームも参戦!
磯部 孝 プロフィール

各社、新コンセプト商品を連発

スポーツウェアブランドを多数展開している株式会社デサント(以下、デサント)のルコックスポルティフからは「エアーチューニングジャケット」が11月10日に数量限定でオンラインストアにて販売した。

ルコックの「エアーチューニングジャケット」/公式サイトより

これは従来のダウンジャケットのように羽毛やポリエステル綿を入れるのではなく、ウェア内に空気を充填するだけで保温性を調整できる新しい形態の防寒ウェアだ。空気を入れない時はウィンドブレーカーとして着用することも出来るという優れもの。

実はこの商品と同じ機能を持った商品展開を試みたショップが過去にあった。それは人気セレクトショップのフリークスストア。フリークスではクラウドファンディングの「キャンプファイヤー」を通じて「エアーゼロダウン」と銘打ち、その商品化予算を10月に募った。

しかし、支援応募期間の1ヵ月以内に目標支援金額の120万円を達成できず、商品化は見送られてしまった。フリークスは、クラウドファンディングという前衛的なツールを使って新コンセプト商品の触手を探ってみたのだろう。

この失敗を見てかどうかは定かではないが、デサントは販売数量を絞ってリリース。こうした未来志向型の商品開発は、大胆な変化を加えれば加えるほど着用ハードルも上がってしまう。そういった意味で両社とも今回はプロトタイプ的な取り組みから着手してみたのではないかと推察する。

 

その一方で「最新テクノロジーだからといって支持されるとは限らない」という業界特有の経験則もある。たとえ快適であっても、着用以外に手間や煩わしさを感じる商品であっては売れないのだ。

例えば、着脱式フードアウターは、実際にフードの着脱を頻繁に繰り返しながら使いこなしている人は少ない。小さく折りたたんでポーチやポケットなどに収納できるポケッタブル仕様のウェアも、付属の収納袋を紛失してしまって本末転倒なんてこともしばしばある。

これらに共通していえる事は、機能は購入のきっかけにはなるが、作り手側の想いほど便利に使いこなしているお客は案外少ないということだ。