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マイクロソフトが「大復活」…会社を変えた「3代目社長」の経営哲学

GAFAとの差別化をどう図ったのか
最近でこそ好調なマイクロソフトだが、一時期、業績が悪化したことがあった。そんなマイクロソフトを救ったのが、現CEOのサティア・ナデラだ。「BtoBビジネスの王者」という肩書に固執せず、新しいことに挑戦する。彼の真骨頂はそこにある……。著書『2025年を制覇する破壊的企業』を発表したベンチャーキャピタリストの山本康正氏が、マイクロソフト復活の秘密について解説する。

マイクロソフト vs アマゾン

マイクロソフト365に代表されるように、BtoB、法人向けビジネスの王者として、マイクロソフトはこれまで長きにわたり君臨してきました。そしてこれからもビジネスのやり方は変わらないでしょう。アマゾンやグーグルといったライバルがBtoC向けのサービスに注力しているからです。

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注目しているのは、都市OSの獲得を狙っていることです。クラウド化が民間では当たり前になっています。国や自治体のシステムにおいても同様で、以前は自前の設備で構築していたシステムを、クラウド化しようとの動きがあります。

実際、日本政府の一部のシステムは、アマゾンが担うことが決定。今秋にも、デジタル庁準備室が設置され、脱はんこや、人工知能を活用した顔認証の導入、クラウドシステム化に向けた動きが活発化するでしょう。

公共機関システムの受注において、アマゾンとマイクロソフトはライバル関係にあります。日本のシステムはアマゾンに決まりましたが、アメリカ政府(アメリカ国防総省)のクラウドシステムでは、当初はアマゾンが優勢でしたが、結果はマイクロソフトが受注。入札で勝ち取りました。

政府の基幹システムを受注することは、金額的にもちろん、かなりのインパクトがあります。そして次に狙っているのは、ライバルがすでに参入している日本のマーケットです。

 

クラウドシステムの受注はOSに限らず、システムの稼働に必要なさまざまなアプリケーションもまとめて受注しますから、かなりのビッグビジネスになります。いわゆるスマートシティにつながるわけですが、そのスマートシティのOSの覇者を、マイクロソフトは虎視眈々と狙っているのです。

アマゾン対マイクロソフトに限らず、もともとシステムを手がけていた日本のシステム会社も含め、裏では激しい攻防戦が繰り広げられていることでしょう。ただ残念ですが、請負意識の強い日本のシステム会社の中で、クラウドや人工知能が強くないところが受注し、競争力が劇的に強まることは、ほぼないと考えています。