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どんな事業にも挑戦する「アマゾン」、最大の強みは「顧客ファースト」思考

スマホからクラウド、ローン、保険まで
近年、アマゾンはローンや保険事業にまで参入し、かつての日本の財閥のようなコングロマリットとなりつつある。そんなアマゾンの「軸」とは何なのか。著書『2025年を制覇する破壊的企業』を上梓したベンチャーキャピタリストの山本康正氏は、「『顧客ファースト』を実現するためなら、アマゾンはどんな事業にも挑戦します」という。同氏にアマゾンの大戦略を分析してもらった。

金融事業への積極的な進出

アマゾンは小売りから全業界を取り込みに動いています。最近では、ローン、保険といった金融事業への進出がトレンドです。ローンに関して、現在は出店者向けに限られていますが、いずれは一般向けにも展開。アマゾンの購入履歴から与信判断を行うサービスを展開すると、私は見ています。

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たとえば競馬に関する雑誌ばかり買っている人は、ローン返済に不安を抱えている可能性が高い。逆に、節約術や安全投資的な書籍を購入したり、買い物が規則正しいユーザーには与信を与える、といった具合です。

保険事業では、JPモルガン、ウォーレン・バフェット氏が代表を務めるバークシャー・ハサウェイ、自社3社の従業員に対しすでにサービスを提供しており、今後はこちらも一般に提供していくと考えられます。さらに、エコーバンドという健康情報を取得できるリストバンドも販売を開始し、その情報も保険に活用していくと思われます。

保険では、医療保険、損害保険どちらも手がけていくでしょう。医療保険であれば現在一律の保険料金を、運動することで病気に罹患する確率を下げることができれば、保険料を割引する。このような新しい医療保険を提供していくと見ています。損害保険は、アマゾンで購入した商品の保険を、アマゾン自身が担うものです。

 

同サービスにおいては、2015年に創業したLemonade(レモネード)というアメリカのベンチャーがまさに同様のサービスを手がけていますから、ベンチマークにしていると思います。

日本の家電量販店も似たようなサービスを行っていますが、アマゾンが提供する損害保険は、精緻です。製品や利用者により異なる故障頻度を、これまでの購買履歴からデータ化し、AIが最適な保険商品を提供すると考えられるからです。