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# 政治政策

菅首相が原発再稼働に「前向き」…?違和感だらけの所信表明演説

所詮は「絵に描いた餅」なのか

菅首相の演説に官僚もあたふた

原子力発電に対する政府の方針が“迷走”している。菅義偉首相が2050年までに温暖化ガス排出量ゼロ目標を掲げたことで、目標達成に向けて原発の活用についての議論が“錯綜”している。今、原発はどうなっているのか。

菅首相は10月26日の所信表明演説で「2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標」を宣言した。

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その具体策として、「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します」との方針を打ち出した。

まさに“寝耳に水”の原発活用宣言だったのだが、これに直ぐに反応したのが、自民党の世耕弘成参院幹事長だった。

世耕氏は翌27日の記者会見で、原発はCO2(二酸化炭素)を出さずに大量のエネルギー供給ができるとして、「安全に配慮しながら再稼働を進め、新技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要だ」と述べた。

 

ところが翌28日には、加藤勝信官房長官が世耕氏の発言の“火消し”に回る。加藤官房長官は会見で、「現時点で政府として原子力発電所の新増設、リプレイスは想定していない」と原発の新設を否定した。

同日に行われた衆議院本会議の代表質問で菅首相も方向転換。2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標達成に向け「再生可能エネルギーのみならず原子力を含めてあらゆる選択肢を追求する」とした上で、「徹底した省エネ、再生エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する」と述べたことで、原発の新増設を暗に否定した。