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アップルが、「利益ゼロ」なのに「クレジットカード」に参入した理由

カード会社はGAFAに飲み込まれる?
日本上陸はまだ先になりそうだが、すでに米国ではアップルがクレジットカード「アップルカード」を発行、金融事業に参入している。ところがアップルは、この事業では利益を出していないという。では、その目的は……? 著書『2025年を制覇する破壊的企業』を発表した、ベンチャーキャピタリストの山本康正氏は、「アップルのあらゆる事業は、iPhoneユーザーを囲い込むため」と分析する。一体どんなビジネスモデルなのか、解説してもらった。

『ソフトウェアファースト』の次を見据える

A社はハードウェアカンパニー。B社はソフトウェアカンパニー。C社はサービス業。一昔前にあったこのような業種のくくりや壁は、意味をなさなくなります。ハード、ソフト、サービス。これら3つの領域すべてを押さえることに意味があるからです。

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逆の言い方をすれば、どれか一つの領域しか手がけていない企業は、GAFAのようなコングロマリット企業に飲み込まれていきます。

ソフトウェアファーストという言葉があるように、昨今のトレンドはソフトウェアが優位なイメージです。ただアメリカはその先をいっています。ハードとソフトがあるのは当たり前、その上で顧客にどのような価値を提供できるのか。つまり、体験です。そしてこのサービス(体験)が、革命の基点ともなっています。

たとえばアマゾン。アマゾンエコーというハードウェアをつくり、アレクサというソフトウェアを開発し、AWSというクラウドサービスも提供。さらに、運送も自ら手がけている。

そして運送では、アマゾンプライムのようなシステムで、顧客のハートをガッチリと摑んでいるプランを保持しています。つまり、すべての領域を押さえた上で、アマゾンらしいサービス、つまり体験を提供しているからこそ強いのです。

 

彼らにとってハードウェアは、ただの箱という感覚でしかありません。大切なのは、その箱を活用しての顧客とのリレーションシップだからです。

未来の世界ではこのように、すべての領域を押さえた上で、いかにユーザーが望む体験を提供できるか。その良し悪しが、ビジネス成否のポイントになります。