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AIは仕事を奪わない!技術者たちが 「AI脅威論」に騙されないワケ

安易に怖がるのはやめましょう
「食べ放題」はなぜ人気なのか? ホリエモンの毒舌はなぜウケるのか? NewsPicsはなぜ「意識高い系」と揶揄されるのか……? ヒット&ブームの裏にある大衆心理を解き明かすのは、著書『人は悪魔に熱狂する』を上梓したデータサイエンティスト、松本健太郎氏だ。近年、騒がれている「AI(人工知能)が仕事を奪う」という説。これは真実なのだろうか? 数々の科学的データを用いて、徹底分析してもらった。

ほとんどの技術者は静観している

AI開発に勤しんでいるエンジニアの多くは「自分たちが社会を変える」と本気で信じている一方で、メディアや世間で騒がれているような「明日にでもAIが私たちの仕事を奪うのではないか?」と恐れている現状を「バカバカしい」と嘆いています。

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通常ならエンジニアほど新技術の推進に賛同しそうなのですが、AIにおいては事情が違います。むしろAIの推進に前のめりなのはビジネス系の人々で、特にコンサル界隈はAIに過剰なほど賛同するスタンスを取っています。

しかし、技術者たちがそれを見て「過度に期待しないで欲しい」というスタンスを取っている、という不思議な状況が生まれています。

実際、とくに数年前から「人工知能が仕事を奪う」といった書籍が書店にあふれていて、エンジニアでもある筆者は「それは言い過ぎだ」と思って苦虫を噛み潰すような気持ちだったと記憶しています。

 

AIがこうした論調で語られるようになった発端は、2013年に英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授(当時)らが「THE FUTURE OF EMPLOYMENT(雇用の未来)」という論文に「10~20年以内に労働人口の47%が機械に代替されるリスクがある」という主張を著したのがきっかけだと言われています。

数字と確率を用いた記述に、信憑性があると感じた人も多かったのではないでしょうか。