〈ザ・ブラインド・ドンキー〉を主宰する料理人、原川慎一郎さんが、東京の隣にある千葉は木更津といすみへ。穏やかな太平洋となだらかな山という自然に恵まれた場所で体感したのは、おいしいものの背景にあるストーリーとシンプルな暮らしの真の豊かさでした。

食と暮らしの原点を
農場へ探しに。

クルックフィールズの入り口。

広い。ひとことで千葉といっても、世界の入り口である成田も、ディズニーランドがある浦安も、九十九里浜もすべて千葉なのだ。

農場内には一般向けにも有機野菜を生産・販売している「農地所有適格法人 株式会社 耕す」の畑と、多様な品種を育てながら体験プログラムを実施しているエディブルガーデンがある。

そんな千葉の中西部に位置する木更津に、2019年、〈クルックフィールズ〉という広大な農場が誕生した。東京・神田で〈ザ・ブラインド・ドンキー〉というレストランを営んでいる原川慎一郎さんは、ここへ月に2度、通っている。

代表の小林さんも頻繁に顔を出し、さまざまなイベントに参加したりしているそう。

「Reborn-Art Festival 2017(さまざまなジャンルのアーティストが石巻/牡鹿半島を舞台に地元の人々とつくり上げる芸術・食・音楽の総合祭)に参加したことをきっかけに、代表の小林武史さんといろいろな話をしていたんです。そのうち彼が〈クルックフィールズ〉をオープンして、遊びにきているうちに、僕も料理でお手伝いするように」

収穫したてのレタスのブーケを手に、みずみずしい葉を味見。無農薬で育てられた野菜には、力強い風味がある。

〈クルックフィールズ〉は、これからの人や社会の豊かさを提案することをコンセプトにしたサステナブルファーム&パークだ。30ヘクタールという広大な土地で、野菜農園を始め、養鶏、水牛やブラウンスイス牛の飼育とチーズ作り、シャルキュトリー作りなどを手掛けている。

収穫した野菜について「これはどうやって食べたい?」などと話し合いながら、みんなで調理する。原川さんが来ることは、スタッフ同士の交流や研修の機会にもなっている。