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新型コロナウイルスはただの風邪と何が違うのか?

子どもは軽症で済むのはなぜ?

新型コロナウイルスなんてインフルエンザと一緒?

「新型コロナウイルスなんて怖くない、単なる風邪ウイルスだ」「感染者の数も死者もずっとインフルエンザのほうが多い」「なんでこれほど新型コロナウイルス感染症を怖がらないといけないのか」などなど、さまざまな意見が世の中にはあります。

確かに、新型コロナウイルスはインフルエンザと一見、よく似た呼吸器症状を引き起こし、感染者1人が他人にうつす数も同程度です(表)。

【表】新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの比較

しかし、よく見ると、さまざまな相違点があります。

60歳以上は若年者に比べて致死率が数倍〜数十倍高い

まず、新型コロナウイルス感染症の場合、感染者の多くは20代以上ですが、インフルエンザでは学童の感染が目立ちます(インフルエンザの場合、以前の感染による免疫が社会にある程度残っているために、大人は比較的なりにくいようです)。

 

また、新型コロナウイルスの場合、その8割以上は順調に快復するのですが、2割近くが、肺炎が進行してその一部はICU(集中治療室)での治療が必要となります。

新型コロナウイルスの場合、肺炎が進行し、その一部はICUでの治療が必要となる photo by gettyimages

ICUに入ってからさらに肺炎が進むと、人工呼吸器を装着するようになり、さらにサイトカインストームとよばれる状態になると、血管系や神経系など他の臓器にも症状が及び、致死的状況になります。運よく持ちこたえたとしても、治療が長引き、通常は月単位という長さでICUにて治療を受けることになります。

そして、高齢者の場合はそのまま亡くなる確率がかなり高くなります。60歳以上の人の場合、重症化率、致死率が若年者に比べて数倍から数十倍高くなりますが、この点はインフルエンザと似ています。(図)。

【グラフ】各年齢における感染者数と致命率各年齢における感染者数と致命率(厚労省:新型コロナウイルス感染症の国内発生動向〈2020年9月2日発表〉より)

また、若年者でも割合は少ないものの、重症化する人が一定割合いて、なかには強い疲労感や呼吸困難感が残り、社会生活に戻れないような大きな後遺症を残す場合がかなり見られます。最近の報告では、新型コロナ感染症から快復したあとも、かなり多くの人に心筋炎や神経症状が残っているようです。脱毛症状がある人もいます。

つまり、8割以上の人が順調に治るという点ではインフルエンザウイルスあるいはその他の風邪ウイルスと変わらないようにも見えるのですが、2割近くが症状が進み、高齢者ではより症状が重くなって死にいたる確率がかなりある、さらに、若年者でも後遺症が残る人がかなりいる、という点では明らかに異なります。