日本を代表する憧れリゾートの一つである星野リゾートは、なぜこれほどまでに多くの人を惹きつけるのでしょうか? ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんが各施設の魅力を紐解きます。

今回は、せきねきょうこさんが「星のや東京」を愛する理由をご紹介。景観・客室・料理・アクティビティ・温泉の5つのポイントについて、じっくり語っていただきました。

POINT 1:ランドスケープ(景観)

京都の庭師が設えた石の前庭が
“塔の日本旅館”の入り口へと誘う

宿のエントランス前には、小規模ながら公園のように心地いい風が抜けるスペースがある。石のベンチも幾つか置かれ、ランチタイムには木陰でお弁当を広げる人も。

東京・大手町に誕生した日本旅館の周囲は、低層も高層も林立するビル街。旅館の周囲の空間に木立を造り、舟形のベンチが配されています。後で聞いた話ですが、宿の玄関前に造られた波模様の舗装は近くを流れる日本橋川をイメージしているとか。

夜の「星のや東京」。周囲のオフィスビルとは異なる美しいライティングや宿の中の賑わいが伝わる。

また、そこここに置かれたプランターは、加藤造園が手掛ける植栽に彩られ、四季を感じさせます。都会のオアシスであるようにとデザインされているのです。

POINT 2:客室

都心とは思えぬ静けさの中で
伝統とモダンな意匠を体感

客室の障子を開けば麻の葉崩し文様が美しく見え、和室に彩りを添える。畳の敷かれた和室にはベッドやソファが置かれ、行灯の優しいライティングが和洋折衷の快適な空間を演出。写真は「百合」の間。

「星のや東京」は、1フロアに6室のみの小さな旅館が重なり合う“塔の日本旅館”として造られました。平屋の数寄屋造りなど一般的な日本旅館とは趣きを変え、都会らしく空に伸びゆく塔をコンセプトとしています。

「星のや京都」で話題となった和室用ソファ「畳ソファ」がここにも。ソファの一部や引き戸など、木製の美しい細工が際立つ。

それぞれに花の名がつけられた客室は全84室。障子やヒバ素材の畳ソファ、布団のような造りの高品質ベッドなどの内装と共に、深い浴槽と洗い場のある浴室も含め、客室は進化した旅館らしく、新旧が融合したデザインです。

部屋から「お茶の間ラウンジ」までは畳続きなので、素足のまま居間に行く感覚で往来可能。お菓子の他、コーヒー、紅茶、緑茶やジュースなどを用意。ちなみに、お酒好きには、夕方、2階ロビーで「SAKEラウンジ」開催。季節の日本酒を数種類とおつまみを提供。

客室から畳続きで24時間自由に利用できる「お茶の間ラウンジ」が造られています。