日本株市場、欧州パンデミック再来で「株価が危なそうな銘柄」の全実名

楽観論からの大逆流を警戒せよ!
大川 智宏 プロフィール

ユーロ円への「感応度」

また、リストの右の列に「記載地域数」という項目を追加したが、これは決算説明資料上の所在地別売上高の欧州に関する地域分類に含まれる地域数のことだ。具体的には、地域の分類が「欧州」、「イギリス」、「ドイツ」などと1地域のみで分類されている場合は問題ないものの、「欧州および中東」、「北米および欧州」といった分類がされることも少なくない。

そうなると、項目内の内訳は分からないため、蓋を開けたら北米8割、欧州2割だったという可能性も否定できない。そのため、この記載地域数が多い場合は欧州のみの数字を表しているわけではなく、数字の信頼性が低い可能性があるので注意が必要だ。

(2)ユーロ円と純利益、株価との感応度

続いては、ユーロ円との感応度だ。欧州経済が悪化するだけでなく、それにともなってユーロ安・円高も進行しうるため、それに対する業績の感応度が高い銘柄に注意が必要となる。また、業績だけでなく、株価もユーロ円の変動が織り込まれやすいか否かを合わせて判断すれば、さらにリスク測定の精度は上がるだろう。

前述の東証一部を対象に算出したように、純利益の相関は四半期基準(過去15年間)でユーロ円と1四半期のラグを持たせており、株価はラグなしの週次の変化率(過去5年間)で計算している。抽出基準としては、欧州売上高比率、ユーロ円業績感応度、ユーロ円株価感応度の中央値がそれぞれ10%、0.1、0.3程度であるため、それらを上回る銘柄について、欧州売上高比率の高い順に20銘柄並べている。

図:高欧州売上高比率、高ユーロ円相関銘柄例
図:高欧州売上高比率、高ユーロ円相関銘柄例  出所:Datastream
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感応度のファクターを絡ませると、景気敏感の製造業や資源関連に銘柄が一気に絞られ、製薬などのディフェンシブ性が高い銘柄は姿を消す。

より欧州経済やセンチメントの悪化の影響を受けやすい特徴を持った銘柄を抽出している可能性が高い。