たくさんの絶品メニューの中から、気になるものを好きな分だけ自分で取り分け堪能できる「ブッフェ形式のレストラン」。

複数の料理を、複数の顧客が共通のトングで取り分けるこれまでのスタイルだとこのコロナ禍では感染拡大防止の観点からなかなか難しく、緊急事態宣言解除後も再開までに時間を要しました。とくに高級ホテルの動きは慎重で、従来のブッフェスタイルから、アラカルトやセットメニューに変えて料理の提供を行っているところも少なくありません。

そんななか、各ホテルは、席数を減らすなど徹底した感染対策を行ったうえで、訪れた人がワクワクできるような工夫を凝らし、withコロナの時代に対応した、新たなブッフェをスタートさせています。コロナ以前は年間100日ほど海外に出て国内外問わず多くのホテルを見てきたライターの長谷川あやさんが、体験した中でおススメのホテルブッフェを紹介してくれます。

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第1回:伝統のローストビーフも!「帝国ホテル編」

コロナで新時代のブッフェスタイルが誕生!

コロナ禍でブッフェ形式のレストランは、「新しい生活様式」に適応した、スタイルへの変更を余儀なくされました。とくにラグジュアリーホテルでは、さまざまな制限があるなか、ホテルの威信にかけ、楽しく美味しい時間を提供できる新たなブッフェを追求。新時代のブッフェを生み出しました。

個性あふれる新スタイルの中から、ぜひともリピートしたい施設の取り組みと、それぞれの楽しみ方を紹介します。第2回は、宿泊者限定の朝食ブッフェが人気の東京ステーションホテルです。

大人気の朝食ブッフェが
さらなる進化を遂げて再登場

東京ステーションホテル。東京駅直結というか、駅舎の中です!

1951(大正4)年、東京駅丸の内駅舎の中に誕生した「東京ステーションホテル」。多くの文豪にも愛され、松本清張はここで小説『点と線』のトリックの着想を得たとも言われています。

ここ「東京ステーションホテル」で宿泊のゲストのみに提供される朝食ブッフェは、ホテル好きの間でもグルメの間でも絶賛の嵐。トリップアドバイザーによる2020年の朝食が美味しいホテルランキングでは全国で19位、東京では唯一20位以内にランキングされていて、このブッフェのために宿泊する人もいるほどです。「Go To トラベル」キャンペーン関連の予約でも、朝食付きのプランが大人気だそうです。

天窓から美しい光が入る、朝食にぴったりの空間です

会場となるゲストラウンジ「アトリウム」のシチュエーションがまたいいんです。国指定の重要文化財である、東京駅舎中央の広大な屋根裏に位置し、天窓から差し込む朝の光も心地よく、日常の隣の非日常が味わえます。食べることに夢中でつい忘れがちですが、駅舎創建時の赤レンガをそのまま利用している壁面にもご注目を!

あ、すみません。ブッフェの話でした!

そのブッフェ、ご多分に漏れずコロナ禍でクローズしていたのですが、7月より装いも新たに再開しました。

この包み(左)を開くと、紙ナプキンや持ち帰り可能なカトラリーが現れます

再開にあたっては、しっかり感染対策を行いながらもブッフェのわくわく感を残すべく、スタッフで検討を重ねたとか。たとえば、東京駅舎のイラストが描かれた、ランチョンマットは今回、新たに作られたもの。カトラリーは、プラスチック製に変更されていました。こちらは持ち帰り可能(余談ですが、持ち帰ったカトラリーは自宅でも大活躍中です)。ちなみに、カトラリーの入った袋は開くと、箸置きとマスク入れになるすぐれものです。

サラダはこんな風に袋に入ったかたちで置かれていました
100を超えるアイテム、何度か通ってすべて制覇してみたい……

朝食ブッフェでいただけるアイテム数は、和洋中100種類以上。ブッフェ台からは料理を取り分けるトングは消え、小分けされた料理が、カバーを施されたかたちで並んでいました。そのサイズ感に、少しでも多くの種類を食べてもらいたいというホテル側の思いを感じます。お皿にも工夫があり、盛り付けの下手な私は、適当に盛ってなんとなく映えるのもうれしいところ。透明な袋に入ったサラダもかわいらしく、気づけば手に取っていました。