ゲイ友達神話を広めた海外のラブロマンス

その代表格とも言えるのが、1998年から2004年までテレビ放映され、その後は二度も映画化された、アメリカのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』だ。30代の僕と同世代の人間ならば、一度は耳にしたことがあるだろう。主人公であるキャリー・ブラッドショーと、その親友であるゲイのスタンフォード・ブラッチとの間に描かれる友情は、このドラマを語る上で欠かせない要素の一つとなっている。

映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』の撮影風景より〔PHOTO〕Getty Images

さらに、このドラマが世界的ヒットを記録する前後には、『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997年)、『私の愛情の対象』(1998年)、『2番目に幸せなこと』(2000年)といった、女性とゲイ男性の友情を描く映画が次々と公開されている。

こういった作品に出てくるゲイのキャラクターの多くは、女性の話に耳を傾け、女性の側に立ち、時に自分の幸せは後回しにするといった自己犠牲すらいとわない。悪く言えば、女性にとって都合のいい存在に見えるのだ。

かつて、「友達になってください」とメッセージを送ってきた彼女が僕に対して求めていたものも、正に「何でも話せて、何でも聞いてくれる」という都合のいい関係性そのものだった。なぜゲイというだけで、女性のケア係にならなければいけないのか。
ゲイだから友達になって欲しいと言われることも、ゲイとしての役割を期待されることも、それら全てに僕はウンザリしていた。