10月30日にいよいよ公開となる映画『罪の声』。これは塩田武士さんのベストセラー小説を映画化したものだ。実在した未解決事件をモチーフとして描かれたこの小説、その圧倒的なボリュームゆえに、2時間程度の映画に収めることができるのだろうかとの声もあったが、見事なまでに人の心をつかむ深いエンターテインメント大作として完成した。

監督は映画『いま会いにゆきます』やドラマ『コウノドリ』『逃げるは恥だが役に立つ』などの土井裕泰監督、脚本は『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』などでおなじみ野木亜紀子さん、 小栗旬さん、星野源さんを筆頭に、そうそうたる俳優陣がそろっている。小栗旬さんと星野源さんは本作が映画初共演。しかし、『映画『罪の声』Official Interview Book VOICE』のインタビューで、脚本家の野木亜紀子さんをして「新たなバディが生まれた」と語る、見事な化学反応が生まれている。
このふたりが「罪の声」について語り尽くした貴重な対談を、『VOICE』より一部抜粋の上、特別掲載。是非とも彼らの「声」から、そして映画本編から、二人の「化学反応」を確認していただきたい。

「いつか一緒に仕事ができたらいいね」と話していた

――お二人は本作以前から親交があるそうですね。

星野 僕が小栗君主演の映画『キツツキと雨』の主題歌を歌ったときに、ライヴに来てくれたんです。あれは2012年だったかな?

小栗 そうだね。もちろん、そのライヴに行く前から源ちゃんの存在は知っていて、いちファンでもあり……。ライヴ後も、源ちゃんが出演する芝居を観に行ったり、ドラマ『コウノドリ』(TBS系)の現場や打ち上げなどでちょくちょく顔を合わせたりしていました。

星野 ただ、毎回短い時間でしか会うことができなくて、じっくり話したことはなかったよね。

小栗 そう。会うたびに「いつか一緒に仕事ができたらいいね」と話をしていたので、今回こうして『罪の声』で共演することができて、僕はとても嬉しかったです。

星野 役者として向き合ったとき、どんなお芝居をする人なんだろうとずっと興味がありました。演じている役に幅があり、様々な表情を見せていますし、これまでは仕事とは離れた場でお会いすることが多かったので、「仕事場での小栗旬は、どんな感じなんだろう?」と思っていたんです。「差し入れがすごい」という話も耳にしたりしていて(笑)、「『俺についてこい!』的な豪快なキャラなのかな? 現場でそういうテンションだったら、ちょと困るな……」と思っていたのですが(笑)、実際はまったくそんなことはありませんでした。現場では非常に落ち着いていて、淡々と、かつ集中力をもって阿久津という役に取り組んでいて、ステキだなと思いました。小栗君本人の実直さが、阿久津というキャラクターにリアリティを持たせているように感じました。普段からどこか阿久津っぽさがある気がしました。

(c)2020 映画「罪の声」製作委員会

小栗 これまで会ってきた少ない時間のなかでも感じていた、星野源というひとがもつ柔らかな雰囲気は、曽根俊也という役に本当にぴったり。今回現場でお会いして、「あ、曽根俊也がいる」と思いましたし、そのイメージは撮影が終わるまでずっと崩れませんでした。ただ、想像していた以上に繊細なひとなんだなというのも感じましたね。

星野 え? 繊細だった?(笑)

小栗 うん、繊細でしたね(笑)。