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【科学今日の出来事】「パリティ対称性の破れ」を提唱した物理学者は誰?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

驚きのノーベル賞スピード授賞

1926年の今日(11月24日)は、物理学者の李政道(り・せいどう、Lee Tsung-Dao、1926-)の誕生日です。

 

現在の上海で生まれた李政道は、日中戦争で学業を中断されながらも研究を続け大学を卒業後にアメリカへわたりました。留学先のシカゴ大では、高名な物理学者のエンリコ・フェルミのもとで素粒子についての研究に携わり、1956年には29歳の若さでコロンビア大学の教授に就任しています。

1956年に李政道は、同門の楊振寧(よう・しんねい、Yang Chen-Ning、1922-)とともに、素粒子の「弱い相互作用」は空間反転に対して不変でないという「パリティ対称性の破れ」 の理論を提唱しました。これは女性科学者の呉健雄(ご・けんゆう、Wu Cheng-Shiung、1912-1997)によってすぐさま実証されました。

この「パリティ対称性の破れ」の提唱により、李と楊は翌年、1957年のノーベル物理学賞を共同受賞しました。自然科学分野でこれほど早く功績が認められるのはきわめてまれなことです。なお、理論の証明を行った呉健雄が共同受賞から漏れてしまったことは、性差別の観点から批判されることもあります。

【写真】パリティ対称性の破れに貢献した3人の科学者パリティ対称性の破れ」を予想した李(左)と楊(中)、そしてそれを実証した呉の3人 photos by gettyimages