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80年ぶりの再発見!絶滅したはずの「ウグイス」が生きていた

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

最初の発見は1922年

2002年の11月21日、絶滅したと思われていたウグイスの一種「ダイトウウグイス」が沖縄で再発見されたことが発表されました。

ダイトウウグイスは、学名をCettia diphone restrictaというウグイスの亜種の一つで、沖縄県にある南大東島の固有種であることからこう呼ばれていました。本州のウグイスと比べると、体が赤褐色をしていることや、翼が小さいことが特徴です。

ウグイスは、早春の時期に他の鳥に先駆けて鳴くことから「春告鳥」とも呼ばれる Photo by iStock

ダイトウウグイスは1922年に初めて発見されましたが、それ以降は南大東島で同様の亜種が発見されることはありませんでした。そのため、ダイトウウグイスは絶滅したのだと考えられていたのです。

 

80年ぶりの再発見

ところが、1975年からおよそ四半世紀かけて沖縄本島のウグイスについて調査した鳥類学者の梶田学らが新たな事実を発見します。もともと沖縄本島には、体色が灰色のリュウキュウウグイスという亜種しかいないと考えられていました。しかし、彼らが採集した個体の中には、褐色の体をしたものがあったのです。

標本調査の舞台は、綺麗な砂浜でも知られる沖縄県名護市付近だった Photo by iStock

しかも、灰色の個体は春から夏にかけての繁殖期に姿を消すのに対して、褐色の個体は沖縄に残り続けます。こうした特徴から、これらはリュウキュウウグイスではないとの結論に至りました。さらに、ではどの種に該当するのかと調査を続けたところ、絶滅していたはずのダイトウウグイスであることがわかったのです。

 

こうして、かつて南大東島に棲息していたとされたダイトウウグイスが、沖縄本島にも分布すること、そしてじつは絶滅していなかったことが判明しました。

この「再発見」には、最後に発見されてから80年もかかったことになります。第二次世界大戦で標本が失われていたことが、研究を困難にした最大の原因でした。

その後、ダイトウウグイスの繁殖の様子や巣を作っていることも確認されています。また、鹿児島県の喜界島でもその存在が発見されれ、さらなる生態の解明や保全が進んでいます。

まだまだ地球には不思議がたくさんあります。みなさんも、ふとした拍子に新種の生物に出くわすかもしれませんね。