『VIDEOPHOBIA』より

「心の闇」を過剰に露出する現代人が行き着く先

『VIDEOPHOBIA』監督が語る

インターネット上に投稿された自分の情事。相手はクラブで出会って一晩限りの関係を持った男。すぐに男の部屋を訪れて8mmのビデオカメラを発見するが、フィルムは入っていない。男に悪びれた様子はなく、追及はせずに家に戻ると、またその夜のものと思われる動画を発見する。再び男の部屋を訪れると、そこはもぬけの殻。民泊で滞在しているという外国人がいただけだった。被害を警察に訴えようにも相手の名前もわからない。そんな中、自分のものとは断言できない映像が徐々に拡散し始める――。

大阪の鶴橋を舞台に虚実の入り混じった世界を描く、現在公開中のモノクローム・サイバー・パンク・スリラー『VIDEOPHOBIA』。目の前にある現実の世界は果たして確かなものなのか。見終わった後、そんな「ゾクッ」とする感覚が後を引く作品だ。

 

主演はテレビドラマなどで活躍する廣田朋菜(『ドラゴン桜』)。音楽は海外でも圧倒的な人気を誇るヒップホップDJのBAKU、イラストは漫画家の山本直樹が担当している。フランスの巨匠、オリヴィエ・アサイヤス、井筒和幸、竹中直人、小泉今日子の他、漫画家のいがらしみきお、芥川賞作家の上田岳弘、ジャーナリストの青木理、津田大介など幅広いジャンルの文化人が熱いコメントを寄せる注目作である。

宮崎大祐監督

手掛けたのは、日米ハーフの女性から見た米軍基地を描いた『大和(カリフォルニア)』(16)やいまどきの日本人女性二人がシンガポール旅行でその国本来の姿と出会う『TOURISM』(19)など、土地とアイデンティティについて示唆的な作品を世に送り出してきた宮崎大祐監督。80年生まれの監督が、インターネット社会の病理を描く本作に込めた思いについて聞いた。