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バイデン氏「ウクライナ疑惑再燃」が映し出す米国メディアの試行錯誤

報道本来のあり方、情報の伝え方とは

アメリカ大統領選挙も大詰めを迎え、メディアを使った情報操作戦も過熱している。その一環で最近、注目を浴びたのが民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏とその次男ハンター・バイデン氏を巡る「ウクライナ疑惑」の再燃だ。

これはバイデン氏がオバマ政権で副大統領を務めていた頃、ハンター氏がウクライナのエネルギー会社ブリスマの取締役に就任して高額の報酬を受け取り、その見返りに父親(アメリカ副大統領)の政治力を使ってブリスマの捜査を担当していたウクライナの検事を解任させるなど、同社に様々な便宜を図ったという疑惑だ。

これについてバイデン氏の関与を裏付ける決定的証拠は見つからなかったものの、その後も疑惑はくすぶり続けていた(皮肉にも元々は、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に圧力をかけてバイデン疑惑の再捜査をもちかけ、それによって自身が米議会の弾劾調査を受けたことに端を発している)。

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トランプ陣営がメディアに働きかけた

この疑惑自体は昨年から今年にかけて、すでに米国のメディアが盛んに報じており、今更の感もある。

が、今月中旬、米ニューヨーク・ポスト紙が「バイデンのウクライナ疑惑を裏付けるメールが、デラウェア州のパソコン修理店に持ち込まれた水に濡れて破損したノートPCから見つかった」と報じ、改めて注目を浴びた。

しかし大統領選・投票日を間近にスキャンダル記事が掲載されるタイミング、また記事の内容があまりにも出来過ぎの感があることから、バイデン候補を落選させるための意図的な情報操作ではないか、との見方が強かった。

そして実際、その見方が正しかったことが先日、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事で示されている。

https://www.nytimes.com/2020/10/25/business/media/hunter-biden-wall-street-journal-trump.html

記事によれば、今年10月初旬、トランプ陣営の選挙参謀3名がバージニア州にある一軒家に集まって起死回生の策を講じた。

 

彼らはハンター氏がブリスマの取締役を務めていた頃にやりとりしていた大量のメールを何処からか入手して所持しており、これを当日、4人目の会議参加者として招かれたウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の記者に(バイデン関与の動かぬ証拠として)手渡した。

この時、かつてハンター氏のビジネス・パートナーだったトニー・ボブリンスキー氏も別の場所から電話で会議に参加し、その場にいたWSJ記者に対し「当時、ジョー・バイデン副大統領はハンター氏の行動を把握しており、自身もそこから利益を得た」と述べ、この件で改めて詳しい取材に応じると持ちかけた。

この時点でWSJ記者の反応は良かったようで、トランプ陣営の選挙参謀らは後日、そして恐らく(10月下旬に開催される)最終テレビ討論会の直前にバイデン・スキャンダルの爆弾記事が権威あるWSJに掲載されることを確信。これをトランプ大統領に報告した。

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