「グリーンスワン」という考え方が急速に広がっている photo/gettyimages

金融業界で話題沸騰! 「中央銀行が『環境問題に貢献』する必要があるのか…?」への正しい考え方

グリーンスワンに集まる関心

中央銀行の政策運営とESG(環境・社会・統治)の関係性について質問を受ける機会がにわかに増えている。とりわけ、ESGの「E(環境)」と金融政策については明確に関心が高まっていることを感じる。

もちろん、「E(環境)」に資することが、「S(社会)」や「G(統治)」に資するという議論もあるので、「E(環境)」だけが重要という話にはならないが、金融政策と環境保護という論点は明らかにこの1年で取り沙汰される場面が増えた。

最近では今年1月に国際決済銀行(BIS)から公表された報告書『The green swan:Central banking and financial stability in the age of climate change』が金融システム安定と気候変動をリンクさせた議論を展開して話題となった。ナシーム・ニコラス・タレブ氏の著書『ブラックスワン 不確実性とリスクの本質』以降、「ブラックスワン(黒い白鳥)」は市場における予測不能の大惨事の代名詞となっており、もはや解説の必要が無いくらい市民権を得ている。

BISの「グリーンスワン」レポート (出所)BISの公式HPより
 

BIS報告書の題名「グリーンスワン(緑の白鳥)」は端的に言えば、気候変動を理由に発生するブラックスワンを指している。

例えば、気候変動(具体的には温暖化)によって自然災害が頻発すれば、大きな損失額が積み重ねられ、それ自体が直接的な金融システムへのリスクになる。

また、そうした新しい時代を見越して社会が低炭素化を進めていけば、その過程で企業部門や家計部門は陰に陽に負担を被ることになる。