『鬼滅の刃』公式サイトより
# 鬼滅の刃

圧倒的映像美…『鬼滅の刃』が覆した、ジャンプアニメの「惰性感」

技術屋集団「ufotable」の神業

話題にならなかった「無限列車編」の「前作」

『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』の快進撃が止まらない。新型コロナウイルスにより大作のハリウッド映画の供給が止まっていることもあるが、多くのスクリーンを割いて公開した結果、公開から10日間で興行収入(100億円)を突破するほどの人気となっている。

この社会現象級のヒットには、大手シネコンが1日数十回も上映するなど、なりふり構わない姿勢によるところもあるが、同時に日本でもこれだけの興行収入をあげる余地が残されていたことを証明する結果になった。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
 

では『鬼滅の刃』の人気の秘密はどこにあるのだろうか。それを解き明かすのは難しいのだが、ひとつには国内屈指の映像クオリティの高さを誇るアニメスタジオ、「ufotable」が製作を担当したことがあるのは間違いない。

実は『鬼滅の刃』が劇場で公開されるのは、今回が初ではない。テレビアニメの1話から5話までをまとめた『鬼滅の刃 兄妹の絆』が公開されている。それはさぞかしお客さんが入ったのでは……と思いきや、ほとんど話題になっていない。

こちらは2週間限定上映、公開館数も11館ほどと無限列車編よりも数十分の一と非常に少ないことや、テレビアニメの総集編ということで単純比較はできないが、ジャンプで連載中の人気作品とはいえその程度の人気だった。

実際にコミックスもアニメ放送前後にあたる2019年4月では約350万部と、ヒット作であることに変わらないが、現在の1億部を超える国民的人気に比べると、あくまでジャンプのヒット作といったところだろうか。

しかしこの『鬼滅の刃 兄妹の絆』を劇場で鑑賞した時、非常に驚いた記憶がある。基本的にはテレビアニメをまとめただけの作品でありながらも、見事に劇場での2時間を保たせたのだ。