大阪都構想はどう考えても「論外&大損」…132名の学者からの「警告」

イメージで賛成、中身を知ると反対
藤井 聡 プロフィール

(2)特別区になると、「権限と使えるオカネ」が著しく低下

そもそも、「都構想」で実現する「特別区」なるものは、「特別区は政令市並みの人口だが、権限と税財源はきわめて脆弱で、住民サービス低下は避けられない」(山田明・名古屋市立大学名誉教授・地方財政学)という存在だ。

しかも「将来たえず財政削減の圧力を受ける」ものであると同時に「特別区間の財政配分をめぐる区民同士の争いも延々と続く」(森裕之・立命館大学教授・地方財政学)とも指摘されている。

なぜそうなるのかと言えば、都構想は「都市計画や産業再生に向けた事業を計画し実施する権限を、大阪市を廃止することによって府知事に差し出す」(槌田洋・元日本福祉大学教授)地域経済学/地方財政学)ものだからである。

したがって、憲法学者の今井良幸氏(中京大学・准教授)は、特別区なるものは「憲法上の地方公共団体とは解されていない」と指摘し、かつ、地方自治論の池上洋通氏(千葉大学・元非常勤講師)は、その存在は「憲法の『法の下の平等』原則に反する疑い」があるとも指摘している。つまりそれは、「なぜ『都』になりたいのか、全く理解できない」(同・池上氏)というような代物なのである。

 

(3)行政サービス劣化:介護、医療、福祉、教育が軒並み劣化

このように、「特別区」は貧弱な自治体なのだから、その中で暮らす人々の生活水準もまたあらゆる側面で劣化していくことは確実だ。

つまり「都構想」は「市民社会の基盤を弱体化させ…自治は制限され…民の暮らしを損なうことになる」(早川和男・神戸大学名誉教授・環境都市計画)ものなのである。

例えば、「地域福祉が住民ニーズから乖離していく」(藤井えりの・岐阜経済大学専任講師・地方財政学)ばかりでなく、高齢者たちは「高齢化社会で求められる介護、医療、福祉を統合した『地域包括ケア』からは遠ざか」(澤井勝・奈良女子大学名誉教授・財政学)ることになるわけだ。しかも、「学校の条件整備も…より劣化し貧弱になっていくことは明確」(小野田正利・大阪大学名誉教授・教育学)でもある。

つまり、都構想は「安全、医療、福祉、生活環境の水準」(早川和男・神戸大学名誉教授・環境都市計画)さらには「教育」の質を低下させ、それらを通して「市民へのサービスを低下させる」(碇山洋・金沢大学教授・財政学)のである。

その結果、大阪は「『住みづらさ』が蔓延する失望の都市に変わってしまう」(保母武彦・島根大学名誉教授・財政学/地方財政学)ほかないのである。

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