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生態系を守るために産学民が連携しサンゴ礁保全の研究に取り組む

提供/三菱商事

全海洋生物約50万種のうち約4分の1が生息すると言われる海のオアシス、サンゴ礁。三菱商事は2005年度より「サンゴ礁保全プロジェクト」で調査・研究を支援している。

サンゴ礁の生命を支える ミクロの生態系

サンゴ礁は水産や観光の資源となり、台風を防ぐ防波堤の役割を果たすなど、人類の生活に大きく関与している。

「私たちの目が届かない世界、目に見えない世界はとても重要で、実はそれらが私たちの生命を支えているのです。例えば、人間の腸内にはたくさんの細菌類が棲み着き、共生することによって生命を維持しています。サンゴ礁も同じこと。バクテリアやプランクトンなど目に見えない多種多様な生物と共生することで、人間を含めた地球上の生態系を支えています」

と話すのは「サンゴ礁保全プロジェクト」のリーダー、鈴木款氏。サンゴ礁を守るために産学民と連携し、活動を支援しているのが三菱商事だ。プロジェクト発足以降、新たな発見がいくつもあった。 

「サンゴ礁保全プロジェクト」の活動拠点は沖縄、インド洋に浮かぶセーシェル、オーストラリアの3カ所。現地の人とも連携

世界的にサンゴの白化現象が問題視されているが、白化とはサンゴと共生している褐虫藻と呼ばれる直径わずか約100分の1mm(=10um)の植物プランクトンが失われること。原因は海水温の上昇により、褐虫藻がサンゴから逃げ出すためと長年言われていた。しかし、その根拠は何もなかった。

白化したサンゴ。白化したサンゴは生存のため意外な生存戦略を示す

「そこで褐虫藻だけが持つ色素を測る方法を開発し、本当に高水温で褐虫藻が逃げるのか調べました。するとその割合は、サンゴ体内の総量のわずか0・01%。さらに調べると、褐虫藻はサンゴの中で小さくなり、やがて消えてしまう。驚いたことにサンゴが消化している可能性があるのです」

鈴木氏によると、正常時はサンゴの中の褐虫藻は炭水化物やたんぱく質など有機物を作り、そのほとんどをサンゴに餌として与えているという。しかし、高水温などで褐虫藻が弱ると餌が生産されなくなるため、サンゴが飢餓状態に陥り、共生関係の褐虫藻を食べると考えられるのだ。

「消化して再利用し、新しい細胞を作っていると推測されます。つまり、白化はサンゴが生き残るための防御システムだったのです」

また、サンゴには褐虫藻が共生し、光合成によりクロロフィル(色素)を生産している。ところが高水温などが原因で褐虫藻が弱り、細胞膜が壊れると、その色素が細胞膜から飛び出してしまう。

 「すると、放出された時に出る電子が水中の酸素と反応し、活性酸素を発生させるのです。活性酸素は酸化力が強いため、周りのサンゴを傷つけ、白化の連鎖を引き起こすこともわかってきました」

通説を見直すことが 白化の回復の手助けに

 さらには、サンゴは動物プランクトンを食べるとされてきたが、「プランクトンがいないように見える透明度の高い海にも、2umより小さなピコ・ナノサイズの植物プランクトンが無数にいます。サンゴにも白化しやすい種類としにくい種類がおり、その違いを調べると白化しにくいものはピコ・ナノサイズの植物プランクトンを多く食べることが判明したのです」

サンゴに集まる多様な魚。微細藻類や微生物が栄養のある餌として豊富にある

こうして地道に白化のメカニズムを突き止めることで、活性酸素軽減の技術等によるサンゴ白化からの回復技術の確立や、今のサンゴの白化時の免疫・防御機構の解明にも取り組んでいる。

「サンゴ白化の原因は他にも、赤土の流入で陸由来のバクテリアが増えること、除草剤やプラスチック問題などキリがありません」

と鈴木氏。環境を守るためには科学的に生態系を含む海洋環境の状態を知り、どのようにサンゴ礁を保全すればいいのか、そのマクロからミクロの世界まで含めて考えることが大切であることを産学連携により、“市民科学”として推進している。

社内外のボランティアと 世界各地でサンゴ礁を保全

三菱商事の創立50周年記念事業として2005年度にスタートした「サンゴ礁保全プロジェクト」。国内外の3拠点で、様々な角度からサンゴ礁保全のための調査・研究に取り組む。社内外から参加したボランティアが研究者とともに各拠点でデータの収集など定期的にフィールドワークを行う。また、子どもや親子向けの体験型教室も実施。

鈴木 款(よしみ)氏 静岡大学 創造科学技術大学院特任教授
「サンゴ礁保全プロジェクト」リーダー。サンゴ礁研究の第一人者でもある。研究室でサンゴ白化の原因解明に取り組み論文を発表する一方、活動拠点にも定期的に足を運び、サンゴを回復させるための直接指導も行う