劇場版『鬼滅の刃』が興収100億円超え!でも映画館の経営がヤバい理由

シネコンが抱える「ジレンマ」とは?
武井 保之 プロフィール

その背景のひとつには、WEBニュースをはじめ、記録的ヒットを報じるメディアの記事数が尋常ではないことと、近年でも稀に見る盛り上がりとなっているSNSを介した情報拡散の相乗効果がある。その訴求力が漫画やアニメファン層の壁を超えて新たな領域に及び、ふだんアニメや映画とは無縁な層をも動かしているようだ。この先、「100億円最速突破」という話題性から、さらにその勢いを増すことも予想される。

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シネコンが抱えるジレンマ

この規格外の特需は、コロナ禍において厳しい経営を強いられているシネコンにとって非常に意味が大きい。今年のシネコンを取り巻く環境を振り返ってみると、政府の緊急事態宣言により4月上旬から休業を余儀なくされ、映画をいっさい上映できなくなった。

この間、新作は公開が延期され、上映中の作品は配信へのシフトが進む。さらに、新作を劇場公開せずに配信のみでリリースする作品が、洋画だけでなく一部の邦画においても出てくる。過渡期を迎えている配信と劇場のあり方が一気に変わるのか、映画関係者の間で物議をかもした。

そして、休業要請解除後の5月下旬から徐々に映画館の営業が再開されるも、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)のガイドラインのもと座席収容率は50%に制限された。コロナへの不安からの客足の戻りの鈍さもあり、配給会社は新作公開に踏み切れず、スクリーン編成は旧作ばかりとなる。

スタジオジブリ4作品『風の谷のナウシカ』(1984年)『もののけ姫』(1997年)『千と千尋の神隠し』(2001年)『ゲド戦記』(2006年)のリバイバル上映が大健闘(累計興収26.2億円)したがシネコンの苦境は続き、経営状況が上向きになることはなかった。

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