コロナ禍でも「ワークマン」絶好調の秘訣!期限もノルマも課さない「しない経営」

竹内 謙礼 プロフィール

徹底的に社内の「無駄」を排除した

ワークマンは社内体制にも「しない経営」を敷いている。

まず、「社内行事はしない」。社員同士は日頃から仕事で顔を合わせているので、あえてお互いの親睦を深める必要がないという理由から、会社で主催するランチ会や飲み会は一切やめてしまった。毎週やっていた営業会議も2週間に1度にして、月1回の会議も四半期会議に切り替えた。外部の人達との飲み会もすべて廃止して、年始の賀詞交換会も中止にした。

「あらゆる無駄を廃止して、それでなんらかの支障があればまた復活させればいい。社員たちの就業後は、家族や社外の友達と楽しく過ごして、リラックスする時間に使うべきだ」

本書で土屋専務はそう語っている。他にも「幹部は思いつきでアイデアを口にしない」「経営幹部は極力出社しない」など、日本の中小企業にありがちな「無駄」を次々になくしていった。社員たちの能力を発揮しやすい、ストレスのない環境を、土屋専務は8年かけて作り上げたのである。

 

「期限」も「ノルマ」もいらない

社員たちの仕事にも「しない経営」が徹底されている。

ワークマンの仕事には無理な「期限」や「ノルマ」の設定がない。理由は、無理な期限を設定すると、締め切りを守ることが目的になってしまい、仕事の質が下がるからだ。

「『前年比150%アップ』とかあり得ない目標を与えられると、社員がしらけてしまい、目標と向かい合うことさえバカバカしくなる。できないことがあたりまえになるし、できない環境に順応してしまう」

出店見込み数も「10年」というふんわりした目標にしているのもそのためだ。本書では、「ノルマ」や「期限」が社員のやる気を削ぐ要因になっていることが、丁寧に述べられている。

しかし、ここで大きな疑問が出てきてしまう。そのような緩い環境で、なぜ、ワークマンは急成長を続けられるのか?

個人的な意見としては、仕事は高い目標を立てて、そこに向かって努力をして、ノルマを達成するものだと思っている。ワークマンのようにノルマや期限がなければ、仕事に対して頑張らなくなってしまう。

だが、土屋専務は本書で「仕事は頑張らない」「仕事は頑張ってできても意味が無い」と定義づけしている。

「特別に仕事ができる人や、異常に頑張った人しかノルマが達成できない仕事は、他の人に仕事を引き継がせることができない。会社は個人の頑張りに頼らない仕組みを作らなければ、30年、40年と続くダントツ経営をすることはできない」

個人の才能や努力で築き上げた業績は、再現性が低いために他の社員では実践することができない。それよりも、全員ができる仕事の仕組みを構築して、誰でも売上を伸ばせる環境を築き上げたほうが、売上を安定させながら伸ばすことができる。

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