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習近平超一強体制の中国が攻勢をかける「米中コロナワクチン戦争」

米大統領戦の混乱のウラで

「空白の2ヵ月半」に起こること

10月26日から29日まで、中国人民解放軍中央軍事委員会聯合参謀部が経営する北京の京西賓館で、「5中全会」(中国共産第19期中央委員会第5回全体会議)が開かれている。議論しているのは、1)第14次5ヵ年計画(2021年~2025年)の策定、2)2035年までの長期目標の策定、3)その他の報告、である。

29日にはコミュニケ(公報)が発表される予定だが、習近平総書記による「超一強体制」を力強く謳うのは確実だ。これまでは「習近平一強体制」と言われていたが、今後は「習近平超一強体制」に変わるということだ。

簡単に言えば、習近平総書記は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のような存在になるのである。「プーチンのロシア」のように、「習近平の中国」の完成である。そして、2035年までの長期政権を目指すものと見られる。すでに国内のライバルたちは蹴落としており、行く手を阻むとしたら、仇敵のアメリカくらいしか考えられない。

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「空白の2ヵ月半」――北京では、いまこんな言葉が俎上に上っている。これはアメリカで、来週11月3日に大統領選挙が行われてから、新大統領の就任日である来年1月20日までを指す。

現在、周知のように、再選を目指すドナルド・トランプ大統領と、民主党のジョン・バイデン前副大統領が、大接戦を演じている。2度目の候補者テレビ討論会が行われた翌23日のリアル・クリア・ポリティクスの調査によれば、バイデン候補50.7%対トランプ候補42.8%で、バイデン氏がリードを保っている。

だが、先週末にアメリカ現代政治が専門の前嶋和弘上智大学教授にお会いする機会があったので、最新事情を聞いたら、「コロナ禍で大量の郵便投票も行っているので、投票結果で揉める可能性が十分ある」との読みだった。

例えば、選挙日夜の開票速報で、たとえトランプ当確が出たとしても、数日後に郵便投票の集計を加味した結果、バイデン当確に変わるといったこともあり得るという。

「何せ1787年の憲法制定時から大統領選挙のルールが基本的に変わっていないので、毎回のように揉めています。特に今回は、バイデン候補が勝利した場合、トランプ大統領が負けを認めない可能性があります」(前嶋教授)

もしもバイデン候補の勝利をトランプ大統領側が認めた場合は、政権移行期間に入る。いずれにしても、2ヵ月半にわたってアメリカ政府の行政に停滞が起こる可能性が高いというわけだ。

一方の中国としては、その「空白の2ヵ月半」を利用しようということである。
一体何をするのか?

台湾が恐れているのは、太平島(たいへいとう)に中国人民解放軍が急襲をかけることである。太平島は、南シナ海の南沙諸島北部に浮かぶ台湾が実効支配している小島だ。

 

南沙諸島最大の0.51㎢で、台湾の高雄港から約1600km離れているものの、台湾(中華民国)はいまの中国(中華人民共和国)が建国される前の1945年から、この島を支配してきた。台湾は、この時期に中国側が急襲をかけても、アメリカ軍インド太平洋艦隊は応戦しないのではないかと、疑心暗鬼に陥っているのだ。

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