それでは、どうするといいのかが問題ですが、筆者が提唱する「0.5%ルール」に従ってください。これは、一切の手数料を合算して、年間に運用額の0.5%以上の手数料を払う商品は全て避けるという原則です。
100万円の運用に5000円、1000万円の運用に5万円以上払うのは払い過ぎだという価格感覚を持ってください。また保険商品のように、実質的な手数料がわからないものも避けるべきです。
人間が手間とコストを掛けて売る商品はたいていこの原則に当てはまらないので、この原則を守れば高すぎる手数料と同時に、人間のリスクも避けることができます。
主人公は、リスクを取って運用したいと思った場合、たとえば世界の株式に広く投資するインデックス・ファンド(株価指数への連動を目指す運用をする投資信託)と呼ばれるタイプの商品を探すと、購入時の手数料がゼロで信託報酬率が0.3%以下のものを見つけられたはずです。
証券マンの友人は本来そのような商品があることを知っていたはずですが、彼は、友人である以前に証券マンだったということが第1話のポイントです。「人間」を見極めることは、主人公にとってだけではなく、読者にとっても難しいはずです。