13年間公立小学校の教師をつとめ、「型破り教師」と評判になった森田太郎さん。一度教師を辞め、子どもたちの興味の芽を育てる「探求学舎」の講師をつとめていましたが、公立小学校にも講師という形で戻ることに。しかも英語の講師だといいます。

以前の記事でもお伝えしたように、森田さんは小学生のころ一切宿題をやらず勉強の意味も感じていなかったといいます。しかし高校生のときに大好きなバスケットボール選手についての疑問から学びに目覚め、猛勉強。大学時に紛争直後のボスニア・ヘルツェゴビナでサッカーによる民族融和を目指して少年サッカークラブを立ち上げ、サッカー日本代表の元監督・イビチャ・オシム氏とも深く親交を持つようになりました。もちろん、交流は英語で行っています。

オシム夫妻(写真手前)と会食時の森田さん(写真後列左から2人目)森田さんのご両親とともにボスニアで 写真提供/森田太郎

そんな森田さんが公立小学校で始めた英語の授業はどのようなものなのでしょうか。そこにはコミュニケーションとは何か、学とは何かという答えにつながる要素がたくさんつまっていました。

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大切なのは「楽しんで学ぶ」

1年半ぶりに学校に戻りました。
10月から、東京都内にある三鷹市立の小学校で時間講師を始めました。なんと、英語の教師です。
高校3年で受けた大学入試センター試験の英語は、200点満点で24点でした。何しろ、「is」や「are」が同じbe動詞という仲間だと知ったのが、高校2年生の時ですから。翌年、200点満点中186点にアップさせたとはいえ、大学の英文科などで専門的に学んだわけではなく、得意とは言い難い、教えたことのない教科なのです。

それなのに、5、6年生、3クラスずつにそれぞれ週2時間、僕は英語を教えることになりました。小学校の英語は、外国語指導助手(ALT)と、英語専科の教員が教えるのですが、僕は後者の専科教員として勤務しています。

英語の授業では「英語以外はしゃべらない」ことをルールにするケースが多いのですが、初日の授業で僕は「日本語もバンバン使っていいからね」と子どもたちに呼びかけました。なぜならば、英語オンリーにしてしまうと、多くの子が「先生が何を言っているのかちんぷんかんぷん」という状態になりがちです。他の授業では「ハイハイ!」と元気に挙手する男子たちが、途端に大人しくなります。

そこで、英語を楽しんで学べる、ポジティブに参加できるような授業作りを心がけました。
授業の最初に、子どもたちと「三つの約束」を交わしました。