米国ではGoogle分割論が急浮上してきた photo/gettyimages

「GAFA分割論」が急浮上するウラで、じつは日本に「絶好のチャンス」がやってきそうなワケ

米国でGAFAの分割論が本格的に浮上してきた。国家対プラットフォーマーの覇権争いが本格化する時代が幕を開けたわけだが、そうした中で“デジタル後進国”である日本はどう進んでいくべきかの選択を迫られそうだ。

今回、経営共創基盤(IGPI)マネージングディレクターで、新著『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』でデジタル化による変化の最前線を描いた塩野誠氏と、話題作『よこどり 小説メガバンク人事抗争』で金融のデジタル化を独自の切り口で描いた作家の小野一起氏が緊急対談。

GAFA分割論が浮上してきた photo/gettyimages
 

GAFAの分割論

小野 塩野さんは新著『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』の中で、国家とプラットフォーマーの綱引きが世界秩序を揺るがしていく状況を読み解いています。まず、アメリカの議会で浮上しているGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の分割論の意味から聞いていきたいと思います。

塩野 GAFAの分割論は、デジタルプラットフォーマがあまりに大きくなりすぎて世界がもとに戻らないということへの拒絶反応だと思います。例えば、Googleの検索エンジンは世界で9割以上のシェアを持っています。一企業が人間の機能の拡張に関わるビジネスをここまで独占するというのは、人類がかつて経験したことのない凄い状況です。

小野 世界の9割の人が、Googleに「あらゆる相談ごと」をしている。それをGoogleはデータとして蓄積し、分析している。まさに経営学者のギャロウェイが指摘するように「Googleが神になった」ということになりますね。

塩野 実は1990年代の半ばのインターネットの黎明期から、プライバシーというものが崩壊するのでないかという議論はすでに出ていました。問題は、どこに均衡点があるのかということです。データをA社とB社の両方が持って、競い合う環境があれば優れたほうに集まるという緊張関係で、まともに運営する規律が生まれます。しかし、検索データの9割をGoogleに握られている状況になると、対抗できるのは政府ぐらいしかなくなるわけです。