日本株市場、10月の冷え込み…からの「劇的な回復」が期待されるワケ

日本株の「黄金期」へ
村上 尚己 プロフィール

菅政権は能力重視による閣僚登用を行うとともに、「国民のために働く」内閣というメッセージを打ち出した。国民からの人気が高い河野太郎行政改革担当大臣が規制緩和やハンコ撤廃などにとりかかり、そしてデジタル庁創設を前提に霞ヶ関のITシステム刷新と組織改革に動きだした。また、携帯料金電話引き下げに武田良太総務大臣が動いている。これらの政策によって、国民の期待に応える菅政権の姿勢は理解できる。

一方、菅政権が批判を受けている日本学術会議問題だが、政府に批判的な学者の見解やそれに呼応する野党の動きがメディアを賑わすようになり、内閣支持率がやや低下したとみられる。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

仮に、支持率低下によって菅首相が早々に降板する政治情勢になれば、日本株投資へのリスクは大きく高まる。菅首相以外の自民党の政治家の多くは、安倍政権が実現した経済政策運営を十分理解していないと筆者は考えている。同様の認識を外国人投資家の多くが持っているなら、菅政権の支持率低下には大きなリスクを感じてもおかしくない。

ただ、学術会議の問題は政治ショーの側面が大きいだろう。学術会議会員という特別公務員の任命は、国民から選ばれた首相が行う法体系となっている。その任命権行使を問題視する見解は、「国民主権」を否定しているように筆者には見える。そもそも、一部の学者が公的機関の職を得るかどうかは、国民経済にはほとんど関係がない。

この問題は、安倍政権がいわゆるモリカケ問題で支持率が低下したことと似ている部分がある。ただ、多くの国民はメディアの極端な報道に対して冷静に判断するとみられ、菅政権の政権基盤が揺らぐ可能性は低いだろう。むしろ、注目された学術会議の実態が明らかになり行政組織の見直しの対象になれば、菅政権の一つの成果になるかもしれない。